2024年(令和6年) 3月8日(金)付紙面より
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東日本大震災の発生から13年を迎えるのを前に、庄内町の余目中学校(佐藤義徳校長)の生徒が、発生日の今月11日(月)とその前日に町防災行政無線を通じて放送する、震災犠牲者の慰霊を呼び掛けるメッセージを収録した。マイクに向かった同校3年の志田心愛"(ここあ)さん(15)は「震災のことを下の世代にも知ってもらう機会になれば」と話している。
震災で甚大な被害が出た宮城県南三陸町の前身の一つ、旧歌津町は1999年、旧立川町と友好町盟約を締結。震災発生時には庄内町からいち早く炊き出し班が南三陸町に出向き、被災者に温かいおにぎりを届けるなど支援。そのお礼として南三陸町から新鮮なワカメが届くなど、現在まで幅広い交流を続けている。
コロナ禍の影響でここ数年、両町の交流は途絶えていたが、本年度に入ってから順次再開。昨年8月に南三陸町の小・中学生が庄内町を訪れた際、志田さんもボランティアとして参加し交流を深めた。メッセージ収録もこうした活動の一環で2017年から毎年実施し、今年で8回目。
収録は1日に行い、志田さんが緊張した面持ちでマイクに向かい、復興支援ソング「花は咲く」に合わせ、「震災を忘れず語り継ぎ、この先も南三陸町とのつながりをより一層、強めていきたいと思います。地震発生時刻にはそれぞれの場所で、震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、町民の皆さまから黙とうをささげていただきますようお願いします」としっかりとした口調で述べた。
このメッセージは、10日(日)午後6時45分、11日(月)午前7時45分の2回、庄内町内に設置された防災行政無線のスピーカーから全域に向けて放送されるほか、町のSNSでも広く発信する。