2024年(令和6年) 4月30日(火)付紙面より
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鶴岡市湯温海の旅館たちばなやの一角に27日、「サジカフェ」がグランドオープンした。同館のそばを流れる温海川を眺めながら足湯を楽しんだ後、気軽に立ち寄り飲食を楽しめる。同館は「旅館の外に向けたカフェという新たな業態へ挑戦するとともに、温海地域全体の活性化を図るもの。宿泊客だけでなく散策の際に利用してほしい」と話している。
同館によると全国の観光地は施設単体ではなく地域全体として高い魅力が求められるという。この流れを受け、温海地域では自然を取り込んだ足湯や休憩スペースの整備などを進めてきた。そうした中、散策客などから「足湯の後に飲食や買い物ができる店があれば」という声が高まっていた。
これを受けて同館は以前から構想していたカフェの設置に着手。国の事業再構築補助金を活用して建物北側の塀を撤去するなど一部を改修した。工事は一昨年冬に着工し、昨春に店舗やウッドテラスが完成した。宿泊状況を見ながら期間限定で営業し、営業時間なども調整を重ねつつ体制と人材が整った今回、グランドオープンとなった。
カフェはたちばなやの佐藤佐次右衛門社長から「佐次」の2文字をもらって「サジカフェ」と命名。約30平方メートルのウッドテラスは温海川に生息する美しい鳴き声のカジカガエルをもじって「カジカテラス」と名付けた。テラスは旅館内の売店「花の市」に直結しており、庄内の特産品をはじめ土産を買い求めることができる。
散策路を挟んでカフェの向かい側には温海川と足湯「もっけ湯」があり、山や川の景色を眺めながら足湯を楽しんだ後、飲食や買い物に向かえることが最大のセールスポイントで、カフェは生ビールやソフトドリンク、ソフトクリーム、ポップコーンなどメニューが充実している。ポップコーンは温海地域の塩を使った「塩キャラメル味」と鶴岡産しょうゆの「バターしょうゆ味」の2種類を日替わりで提供する。テラスには椅子やテーブル、家族やカップルで座れるソファなどを置き、のんびりと過ごすことができる。
同館の佐藤鉄平専務は「温泉街を散策して足湯と景観、カフェを楽しみ、『温海って良いところだな』と地域全体の魅力を知ってもらえれば」と話した。