2024年(令和6年) 5月4日(土)付紙面より
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酒田港(酒田市)と国内3港を結ぶ内航定期コンテナ航路が10日(金)に開設される。酒田港は現在、韓国、中国を結ぶ外航の定期コンテナ船が週2便運航しているが、内航の定期コンテナ航路は初めて。博多(福岡市)、門司(北九州市)、新潟(新潟市)の3港と結ぶコンテナ船が週1便寄港する。
県県産品・貿易振興課によると、就航するのは、静岡市に本社を置く鈴与海運のコンテナ船「みわ」(746総トン)で、最大積載能力は199TEU(20フィートコンテナ換算)。
ルートは金曜に酒田を出港した後、土曜に新潟、翌週の火曜に門司、水曜に博多に到着する。門司、博多両港でコンテナを積み替えることで、共同事業者のコスコシッピングラインズジャパン(東京都)による外航航路を活用し、海外への輸送も可能になる。トラック運転手などの時間外労働時間に上限を設けた、いわゆる「物流の2024年問題」などを踏まえ、海路が加わることで安定輸送に向けた選択肢が増える。
吉村美栄子知事は先月26日の定例会見で「県として酒田市、関係団体と構成する『“プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会』による新たな助成制度の創設など行い、県内企業に新規航路開設によるメリットを周知し、酒田港の利用拡大につなげたい」と話した。矢口明子酒田市長は「九州、中国南部や東南アジアなどへの海上輸送が可能となり、当地域の工業製品や農産物の移出・輸出による外貨獲得、港湾関連企業の業容拡大など地域経済の活性化が促進されることを期待している」とコメントしている。