文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2024年(令和6年) 5月15日(水)付紙面より

ツイート

庄内を持続させる政策進めたい

 庄内開発協議会は、2025年度に国や県などへ要望する庄内地方重点事業要望項目を決めた。少子化、高齢化、若年人口流出など、地域の力が失われる事態が続いている中で、要望項目のどれもが将来まで持続可能な庄内地域のために欠くことができない。人々が安心して住み続けられるため、特に人口流出をどのように抑えていくかが課題になる。

 加速する人口減少社会に、民間有識者の「人口戦略会議」が全国の自治体の将来像を分析し、50年には鶴岡、酒田、庄内、遊佐の4市町が自治体の存続が困難になる「消滅可能性自治体」に含まれた。そうならないためにも、重点事業の一つ一つを着実に実らせていかなければならない。

◇      ◇

 地方の力が落ちてきているのは、東京への一極集中が止まらないせいもある。消滅可能性自治体は、子どもを産む中心世代の20~39歳の女性が減っているのが一因とされる。しかし三川町はその減少率が緩やかだとして、同自治体には含まれなかった。保育施設の整備、子育て応援制度、酒田市や鶴岡市のベッドタウン化していることなどが若年層が定住する要因になっているようだ。

 若年層を地元に定着させる意味合いもあり、酒田市の東北公益文科大学は26年4月の開設を目指し、国際系の新学部・学科を設置する計画で、25年3月をめどに文部科学省に認可申請する。大学の機能強化の一環だが、新田嘉一理事長は常々「海外に出て視野を広め、海外から日本を見た経験を生かせ」と学生に語ってきた。国際系の学部新設は新田理事長の考えに沿うものだ。また少子化の中でも、地方自治体が設置する公立大が増えている。教育内容の充実で若者の都市部流出を食い止める狙いもある。県には早い段階で着実に公立化を進めてもらいたい。

 酒田港に初の内航航路が開設され新潟、博多(福岡市)、門司(北九州市)を結ぶコンテナ船の第1船が入港した。週1便運航される。現在の韓国と中国の外航航路に加えての内航航路は、北前船交易で栄えた往時の再来の感がある。庄内の発展につなげる弾みとしていかねばならない。

◇      ◇

 日本海沿岸東北自動車道(日沿道)も早期に全線開通させたい。秋田・新潟両県境とを接続させ、高速道路本来の機能を持たせなければならない。羽越新幹線は国の基本計画で決まっていることであり、うやむやのまま白紙にされるような事があってはならない。陸羽西線の維持継続も重要課題だ。

 庄内浜の漁業は水揚げ量が減り、新規漁業従事者の成り手の不足も深刻だ。このまま漁師の高齢化が進めば沿岸漁業にとって打撃であり、打開策を探りたい。庄内沖の洋上風力発電導入も前進し、新規雇用も期待できる。庄内が秘めている可能性を探し、持続策につなげていきたい。

画像(JPEG)



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field