2024年(令和6年) 5月18日(土)付紙面より
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鶴岡市の致道館中学(遠田達浩校長)の1年生99人が16日、校名の由来となった国指定史跡の庄内藩校致道館を訪れ、江戸時代から現在まで時代を超えた学びの気風として受け継がれている藩校教育の歴史に触れた。藩校致道館を初めて訪れた生徒もいて、「自学自習」など藩校で進められた教育方針に、「今求められていることが200年前にすでにあって、すごい」などと感想を話した。
中高一貫校として先月開校した同校には、庄内一円から入学者があった。庄内地域の歴史や文化に理解を深めてもらおうと、致道博物館と併せ、2班に分かれて現地学習が行われた。
藩校致道館では同館の担当者が、藩政の課題に対応する人材養成とともに、乱れた士風を刷新するため、9代藩主・酒井忠徳(ただあり)公が1805(文化2)年に藩校を開いた歴史や、能力や個性に応じた「天性重視・個性伸長」、意欲的に自ら学ぶ「自学自習」、小グループの共同学習で意見を出し合い学びを深める「<会業(かいぎょう)の重視」などの教育方針を分かりやすく伝えた。
ともに初めて藩校致道館を訪れたという石垣埜乃(のの)さん(12)=遊佐小卒=は「やろうと思ってもできていないから今求められている教育が、江戸時代の藩校で実現していたのを知って驚いた」、池田紡(つむぐ)さん(12)=浜田小卒=は「教えてもらったことを両親や友達にも伝えて、また来てみたい」と話した。