2024年(令和6年) 5月23日(木)付紙面より
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酒田市の観光ガイド協会員らを対象にした観光ガイド研修会「異文化コミュニケーションとやさしい日本語―おまけでちょっぴり英会話」が18日、同市の酒田駅前交流拠点施設ミライニで開かれ、参加者たちが外国人や障害者に伝わる「やさしい日本語」などについて学んだ。
ミライニと同協会の共催。近年急増している外国人観光客に対し、スタッフ一人一人のスキルアップのため昨年初めて企画、今年で2年目の取り組み。この日は協会員とミライニでガイドボランティアに参加している酒田南高校の生徒ら約30人が出席。出羽庄内国際交流財団(理事長・皆川治鶴岡市長)の事務局次長を務める佐藤幸さん(50)=鶴岡市=を講師に、コミュニケーション方法などを学んだ。
佐藤さんは「近年のインバウンドは英語圏よりも中国、台湾、韓国などアジア圏が多い傾向。英語が分からない観光客もいるので、時と場合によっては英語を話せることは重要ではない」とし、ジェスチャーや表情から読み取る「非言語的コミュニケーション」や簡単で分かりやすい日本語を使う「やさしい日本語」について解説。「『やさしい日本語』は阪神・淡路大震災で日本語も英語も理解が不十分なため必要な情報を得られなかった外国人被災者たちのために生まれ、今では子どもや障害のある人に対しても推奨されている。情報を正確に伝えるため、日本語をただ簡単にするだけでなく、より分かりやすくなるよう工夫を」と続けた。
参加者たちはメモを取りながら、佐藤さんから提示された日本語の例題について考えたり、話す時の注意点などを熱心に聞いていた。酒田南高2年の高橋百椛(ももか)さん(16)は「昨年5月からガイドボランティアに参加していたが、外国の人に尋ねられると慌ててしまい対応できずにいた。言葉遣いや動作など、英語以外の表現も使いたい」と話した。