2024年(令和6年) 5月29日(水)付紙面より
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本県唯一の有人離島・酒田市飛島に自生する「トビシマカンゾウ」の花が咲き始め、多くの草花とともに潮風に揺れる姿が訪れた人の心を和ませている。
トビシマカンゾウは鳥海山にも咲く高山植物・ニッコウキスゲの変種で、飛島と新潟県佐渡島だけに咲くユリ科の多年草。飛島では小松浜海水浴場から賽の河原などに続く海岸遊歩道途中から見える斜面と、島西側の荒崎頸部(けいぶ)に群生している。
定期船「とびしま」が発着する勝浦港から農免道路を北に進み、西側に抜ける遊歩道を行くと荒崎海岸に。黄色の大ぶりな花のトビシマカンゾウとともに、カノコソウ、オオバナノミミナグサ、ハマナス、スカシユリなどが混生する珍しい植生が広がっている。
市とびしま総合センターによると、今年の開花は例年並みで、見頃は6月下旬ごろまでという。トビシマカンゾウが終わると、ハマエンドウ、カワラナデシコ、ヤブミョウガ、オニユリなどが咲き始める。