2024年(令和6年) 7月9日(火)付紙面より
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8月3日(土)に酒田市の最上川河川敷で行われる「酒田の花火2024―光、笑顔、満開」を前に、花火に関する知識を深める体験型ワークショップが7日、本県で唯一花火製造に携わる安藤煙火店(同市栄町、安藤周一社長)の製造工場(同市中野俣)で開かれ、市内の家族連れ6組17人が参加。同社取締役の安藤孝二さん(42)はじめ同社花火師の案内で工場内を見学して回ったほか、参加者全員が3号玉の製造を体験した。
今年の花火大会は、バレーボールチーム・アランマーレ山形のカウントダウンとともに開幕。7部構成で実施し、2尺玉を含め前回と同規模の約1万発を、これまでの90分から60分に凝縮し打ち上げる。同社による第7部「グランドフィナーレ」では展開幅を最大限に生かし、2尺玉と大空中ナイアガラの競演を予定している。「市民から楽しんでもらう」をコンセプトの一つに掲げており、その一環として今回、実行委員会事務局の市交流観光課が初めて体験型ワークショップを企画した。
製造工場に集合した参加家族は、同社花火師の金野雅美さん(38)の案内で工程順に場内を見学。金野さんは「混ぜ合わせる薬品によって色が変わる」「たくさんの色が作れるが、青色が最も難しい」などと紹介した。その後、2組ずつ3班に分かれ製造体験。孝二さんらの指導で、段ボールなどを用いて作った「玉皮(たまかわ)」に「星」と呼ばれる火薬を手際よく丁寧に詰め、爆発させる火薬、導火線を配置した。この日は「七夕」ということもあり、参加者全員が短冊に願い事を書いて当日に打ち上げられる2尺玉に貼り付けた。
「うちゅうひこうしになりたい」と願い事を書いた宮田麻央さん(7)=亀ケ崎小2年=は父母と共に参加。昨年の花火大会終了後、酒田に引っ越してきたこともあり、「花火の作り方が分かった。完成した時はうれしかった。初めて見る酒田の花火がとても楽しみ」と。孝二さんは「参加した皆さんが楽しそうに作ってくれ、われわれとしても勇気、励みになる」と話した。参加家族には当日の観覧チケットなどをプレゼントした。