2024年(令和6年) 7月12日(金)付紙面より
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酒田市の東部中学校(宮嶋弘樹校長)の1年生59人が10日、同市山楯の森林公園「悠々の杜」に隣接する竹林で間伐作業を体験。あいにくの雨降りの中、雨がっぱを着た生徒たちは周辺整備に向けて懸命にのこぎりを操った。
悠々の杜は入浴施設「アイアイひらた」周辺の市有地など約8ヘクタール。市民有志らで組織する「悠々の杜推進協議会」が憩い・教育の場として整備している。協議会事務局を務めるNPO法人・ひらた里山の会(佐藤忠智代表理事)は2011年から所有者3人の委託を受け、隣接する竹林を管理しており、東日本大震災で被災した宮城県松島町のカキ養殖棚用に間伐竹を贈る活動を12年から4年間続けた。
作業体験は同校の総合学習の一環。地域の環境整備や保全活動の重要性を身をもって学習する機会として、里山の会などの協力で毎年この時期に実施している。
この日は里山の会スタッフらが生徒たちに指導。佐藤代表理事から環境保全活動の目的や注意事項などを聞いた後、10班に分かれ、竹林の中へ。雨脚が強まる中、「のこぎりの刃は自分に向くように持って」「押す時より引く時に力を込めること」などのこぎりの使い方やアドバイスを聞きながら、約1時間にわたって広さ約1ヘクタールの竹林の間伐や枝の切り落とし作業に汗を流した。
参加生徒の一人、石川蓮菜(れな)さんは「のこぎりを使うのも初めて。最初は切った竹が倒れてくるのが怖かったけど、作業を繰り返すうち、お互い協力しながら枝を切ったり運んだりするのが楽しくなった。環境整備の大変さと取り組む人のすごさが分かった」と話した。