2024年(令和6年) 7月19日(金)付紙面より
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鶴岡市立荘内看護専門学校(校長・鈴木聡荘内病院長)の1年生による地域フィールドワークが17日、鶴岡市の山間部や沿岸部などで行われた。このうち山間部は生徒4人が同市大網地区を訪問し、地元住民と地域の魅力や課題についてヒアリングした。
フィールドワークは同校の授業「地域と看護」の一環で、2022年から実施している。同校は教育目標の一つとして「地域を知り、地域を愛し、住民とともに成長していく姿勢を身につける」を掲げており、調査を通して地域に住む人の暮らしや文化、環境などへの理解を深め、「支える看護」に反映させるための基盤を養うことを目的としている。
今回は1年生18人が農村部、沿岸部、山間部、市街地の4グループに分かれ、各地でフィールドワークを実施。山間部の調査は生徒4人が担当し、市大網地区地域交流センターで地元住民3人と懇談した。
自己紹介の後、生徒たちが住民へ「大網地区の魅力」「地区内にあったら便利な施設」「地域で必要な取り組み」「地域の特産物」についてそれぞれ質問。住民たちは「山菜を採ったり、畑仕事をしたり楽しく過ごしている」「店もあると良いが、高齢者が多いので地域を巡る無料バスの台数や各集落を巡るルートの増加が必要」「猟師がいるので毎年クマ汁を食べる。月山筍は皆さんにもぜひ食べてほしい」などと答えた。
無料バスや冬の雪下ろしの大変さについて「いろいろ要望はあるが、地元から市議が出ていないこともあり市議会でこの地域の課題について取り上げられることは少ない。何とか地域の声を行政に届けたい」といった住民たちの切実な声に、生徒たちは神妙な表情で耳を傾けていた。
懇談後、生徒たちは大網診療所を見学し、担当医師にインタビューした。後日、全体での調査報告会が行われる予定。