2024年(令和6年) 7月25日(木)付紙面より
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酒田市の東北公益文科大学(神田直弥学長)で19日、「防災の仕組みづくり発表会」が行われ、今年元日に発生した能登半島地震の際、飛島住民たちの避難行動などを調査した学生らが課題や提言などを発表した。
公益大で演習科目「地域における防災の仕組み作り」を履修する学生が、今年6月飛島に赴き、能登半島地震の際、避難時の意識や行動などを島民から直接聞き取るなどして調査。地震発生時、飛島では観光客などはおらず島民と帰省した人だけだったこと、新年の祭りが行われ、飲酒した人が多かったこと、12月に異例の大雪があり積雪があったことなどが分かった。
この日の発表会には履修した2―3年生25人が参加。5人ずつ5班に分かれて調査結果を発表した。「能登半島地震から学ぶ飛島の防災」のテーマで発表した班は、島民2人からの聞き取り調査をまとめ、「津波がきているのか、荒波なのか季節によっては判断がつかず、避難が遅れる可能性がある。島内には次に地震がきたら崩れそうな壁がある」など問題点を指摘、「冬場は荒波と風の影響で道が凍っており危険。荒波の高さの指標を取り避難時に参考にする。市職員が車で各地区を回って避難指示をする際、避難者を共に乗せていくのがいいのでは」などと提案した。また、「飛島の防災」のテーマで発表した班は、島民からの聞き取りのほか、実際に避難経路を歩き、「階段の段差が高く、つかめるものがない。街灯が少なく夜道は危険」など報告。「雪などで通れなかった道もあり、避難経路の整備が必要ではないか」などと意見発表していた。