2024年(令和6年) 8月2日(金)付紙面より
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大雨特別警報が出されるなど庄内地方を襲った大雨災害から1週間。異例の2度にわたって特別警報が出て甚大な被害に見舞われた酒田市大沢地区で31日午後、女性1人の遺体が見つかった。県警警備二課は、避難中に行方不明になった同市北青沢在住の相蘇外百子さん(86)の可能性があるとみて身元の確認を進めている。一方、同じく特別警報が出された遊佐町では1日、町と町社会福祉協議会(本宮茂樹会長)が開設した町災害ボランティアセンターによる活動がスタートした。
家族と共に避難中に行方が分からなくなった相蘇さんの捜索は31日午前10時ごろに再開。同日午後1時50分ごろ、大雨で氾濫した荒瀬川に架かる同市上青沢の三保六(さぶろく)橋付近で、県警機動隊員が心肺停止状態の女性を発見し収容、同6時28分に死亡が確認された。相蘇さんが行方不明になった箇所からは2キロほど下流。遺体は損傷が激しく、警察で身元や死因など詳しく調べている。
甚大な被害が出て通行止めとなっていた同市上青沢の国道344号中台橋付近の迂回(うかい)路が31日午後に完成し、北青沢集落までの通行が可能になった。この迂回路を使って大雨災害後、初めて北青沢集落にある実家と水田の確認に訪れたという市内在住の男性(75)は「家の中や倉庫はめちゃくちゃな状態。水田もほぼ駄目。大丈夫な箇所にも木の枝などが残っており、稲刈り機を入れることができないだろう。今年はもう終わりだ」と話した。
一方、今回の大雨被害を受け遊佐町と町社協は、ボランティアによる支援の受け入れや調整を行う災害ボランティアセンターを初めて設置。ニーズ調査を実施したところ、部屋の片付け、ごみの搬出などのニーズがあったことからボランティアを募り、1日から活動を開始した。
初日は町内外の16人がボランティア登録し遊佐・吹浦両地区の計3軒で活動を展開。「プレ活動」と称し、既に30日から町内の民家で災害ごみの搬出などに精を出した東北公益文科大の学生、遊佐高の生徒らで組織する学生団体「おでこBASE」のメンバーらも汗を流した。町社協によると、しばらくの間、活動を継続するという。