2024年(令和6年) 10月27日(日)付紙面より
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鶴岡市下川の龍澤山善寳寺で12年に1度の辰歳(たつどし)御縁年を記念した「秋の特別拝観」が始まった。同寺の僧侶約20人による祈祷を受けた後、本堂の奥にある「龍王殿」を拝観する。特別御朱印の頒布や531体の羅漢像の修復が進む「五百羅漢堂」も特別公開している。
祈祷は僧侶が本堂にそろい、一人一人の住所や名前、会社名を読み上げて商売繁盛、家内安全、無病息災、交通安全、諸願成就などを願う。その後、龍王殿で手を合わせ「龍神様」とご縁を結ぶ。
「法華験記(ほっけけんき)」によると、善寳寺の起源は約1100年前にさかのぼる。
比叡山や羽黒山で修行した妙達(みょうたつ)上人が貝喰(かいばみ)の池のほとりで法華経を唱えていたところ、老人男性と若くて美しい女性が現れた。
老人は「八代龍王第三の龍」と名乗り、娘と共に法華経の功徳を受けに来たと言った。願いを受け入れた妙達上人が再び法華経を唱えると、2人は龍の姿に変わり貝喰の池の奥底に姿を消した。その後、貝喰の池には龍神様がすみ多くの人々の願いをかなえると伝えられている。
「秋の特別拝観」は今月20日から始まり、県内をはじめ秋田や新潟、宮城など県外からも訪れている。祈祷を受けた人たちは龍王殿に案内されて手を合わせ、特別御朱印を朱印帳に押してもらっていた。善寳寺広報室の篠崎英治さんは「12年に1度の機会に龍神様を身近に感じていただければ」と話している。
秋の特別拝観は来月20日まで。拝観料(祈祷)は2000円(辰歳記念のお守り付き)。祈祷時間は午後0時から。特別御朱印の頒布日は今月31日と11月12、24日、12月6、18、30日。各日とも午前9時から午後3時半。問い合わせは龍澤山善寳寺=電0235(33)3303=へ。