2024年(令和6年) 10月30日(水)付紙面より
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鶴岡市立鼠ケ関小学校(齋藤優子校長、児童50人)の5年生が25日、大型・高多層プリント配線板を手掛けるOKIサーキットテクノロジー(OTC、同市宝田一丁目、鈴木正也社長)を訪れ、工場見学や印刷体験などを通してものづくりの面白さを学んだ。
今年で創立150周年を迎えた同小は、記念事業の一環として6月に記念講演会が行われ宇宙探査に関するエピソードに触れた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が認定するプリント配線板(基板)をOTCが生産していることから、児童たちに宇宙やものづくりへの関心を高めてもらおうと工場見学を申し込んだ。
この日、同小5年生10人が引率の教員と共に同社を訪問。同社の社員から「OTCは“ものづくり”の会社で、プリント配線板を作っている。これは数多くの電化製品や電車、飛行機などの乗り物、宇宙に向かうロケット、医療機器などに組み込まれており、皆さんの生活や社会を支えている」と説明を受けた。
座学後、ほこりなどをカットする白衣を着こんだ児童たちは同社工場(5号館)を見学。基板の表裏に付着した粉上のほこりをクリーニングするロボットアームが作動する様子や、出荷を待つ製品の棚などを見て回った。また、銅版画の「シルク印刷」と同様の技術を用い、エポキシ樹脂で基板表面へ部品番号などを記載する印刷体験にも挑戦した。
同小の剱持卯琉(うる)さん(11)は「工場は広くてたくさんの人が製品づくりに関わっていた。ものづくりは大変だけど本当にすごいと感じた。一番驚いたのはロボットが自動で荷物を運んでいたこと」と話していた。
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OTCは大型・高多層プリント配線板の多品種小量生産に優れた業績を挙げており、JAXA認定のプリント配線板7種全てを国内企業で唯一保有している。今年7月1日に打ち上げが成功したH3ロケットは、搭載された基板の9割を同社が製作している。
小学生を対象にした工場見学会・ものづくり体験会は今回初めて実施した。同社は今後も随時受け付けるという。