2024年(令和6年) 11月1日(金)付紙面より
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南フランスのレストランでシェフを務め、当時最年少28歳の若さで「ミシュラン一つ星」に格上げした田中彰伯(あきのり)シェフ(62)=東京都=の料理講習が30日、酒田市幸町二丁目の酒田調理師専門学校(御舩明彦校長)で開かれた。学生22人が参加し旬のサケを使ったフランス料理を学んだ。
グランドエル・サンの片倉忠直シェフの紹介を受け「料理人としての『心』を学生に伝えてもらおう」と同校が田中シェフにアプローチした。調理室では4人ずつの班に分かれて田中シェフの直接指導を受けながら「サーモンのソテー・赤ワインソース」と「鶏モモのパン粉焼きタルタルソース添え」の作り方を教わった。
田中シェフは「料理は化学。物理的に考えることで新たな見方が出てくる」「調理場はいつも競争の場と思って」とアドバイス。仕上げた料理を会食し「おいしい、おいしい。上出来だ」と田中シェフからお墨付きをもらうと学生たちは皆満面な笑みを浮かべた。
将来、日本料理店を開きたいという学生の須田怜鳳(れお)さん(19)=秋田県=は「田中シェフと自分たちの味は全く違っていた。たぶん火入れ加減の差だと思う。とても勉強になった」と感想を話した。
料理人の金の卵たちを前に田中シェフは「常に柔軟な姿勢で学ぶことが大切。いろんなシェフから技術を吸収し、おいしい料理を作って多くの人たちを笑顔にさせてください」とメッセージを送った。