2024年(令和6年) 11月5日(火)付紙面より
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今年7月の記録的大雨によって生活環境が大きく変わった被災者の支援・ケアに向け、酒田市社会福祉協議会(桐澤聡会長)は1日、市地域福祉センターに「被災者生活支援・地域支え合いセンター」を設置、開所式が開かれた。辞令を受け取ったセンター職員は今後、地元を離れて仮設住宅などに住む被災者らを訪問してニーズを聞き取るなどして孤立を防ぎ、さらに「支え合い」を推進していく。
市の委託を受け、国による「被災者見守り・相談支援等事業」の補助を活用して運営するもの。記録的大雨の影響で住宅が被災し現在、応急仮設施設などに住む市民から安定した日常生活を営んでもらえるよう、孤立防止のための見守り、日常生活や生活再建に関する相談、関係機関との連絡調整といった支援活動に従事する。
茶話会・サロンの開催で被災者と避難先住民との交流といったコミュニティーづくりも図る。
また、現在は市八幡タウンセンターに置いている市災害ボランティアセンターの拠点を今月末までに支え合いセンター内に移行。センター長を務める梅木和広市社協地域福祉課長ら9人態勢で、このうち5人ほどが常駐、今月中旬から活動を本格化させる。
この日は市社協、市関係者らが出席。桐澤会長が辞令を交付した後、「福祉的な支援こそセンターの役割。生活バランスを崩す被災者もおり、これまで培ってきた知見・経験を生かし支援に取り組んでいこう」と訓示。高橋紀幸市健康福祉部長が「精神的・健康的なケアが必要。一緒になって被災者を支えていきたい」と述べた。
式終了後、センター長の梅木課長は「継続的な支援が必要と思う。まずは個別訪問でニーズの把握に努め、孤立防止を図りたい」と話した。
2024年(令和6年) 11月5日(火)付紙面より
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鶴岡市の藤島歴史公園Hisu花(ヒスカ)で3日夕、庄内最大級のイルミネーションの点灯が始まった。今年は約15万球のLED電球に加え、250メートル区間にわたりネオンライトを藤棚などに飾り、歴史公園を彩った。
同公園のイルミネーション設置は2016年から続いている。現在は市民有志によるグループ「Hisu花ワークショップ」(井上夏代表)が主催し、地域を元気にしようと公園の藤棚やアーチを電飾で華やかに演出するとともに、さまざまなイベントを企画している。
点灯式は午後5時から行われ、地元の藤島こりす保育園(藤の花一丁目)の園児たちが元気な歌声で盛り上げた。続いてワークショップのメンバーが来場者と声を合わせてカウントダウン。午後5時20分、一斉に電球の光がともった。
3連休の真ん中で日曜日のこの日、公園は大勢の来場者で混雑。温かな光を放つイルミネーションの下、子どもをスマートフォンのカメラで撮影する保護者や、友人同士笑顔で自撮りする姿が見られた。
友人と訪れた庄内総合高定時制1年の奥山喜衣さん(15)は「地元(藤島)に住んでいるので毎年見に来ている。年々電飾が増えていて、華やかでとてもきれい。人口減が心配だが、もっと地域を盛り上げていきたい」と話していた。
イルミネーションの点灯は来年1月13日まで。時間は午後4時半から同9時半。
2024年(令和6年) 11月5日(火)付紙面より
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今年7月の記録的大雨の被災者を応援するチャリティーイベント「第2回漁火(いさりび)まつり」が2日夕、酒田市の酒田港東ふ頭交流施設「SAKATANTO(サカタント)」で開かれ、来場者たちが旬の海鮮や飲み比べを楽しんだ。
県漁業協同組合(本間昭志代表理事組合長)、サカタントを運営するGOOD LIFE ISLAND合同会社(同市飛島、本間当代表社員)の共催。今年元日の地震で甚大な被害に遭った石川県能登地方を応援するため6月に開催した第1回に続き企画。7月豪雨の被災者や駆け付けたボランティアらに対し「同じ酒田市民としてできることを」と、市の協力で開いた。
日中に降っていた雨がやみ午後6時半から開会式が行われ、西村盛県漁協専務理事らがあいさつ。その後、太鼓道場「風の会」(酒田市)の演奏に合わせ、集魚灯を明々とつけた県小型いかつり漁業協議会所属の小型漁船5隻が港内を航行し、会場を盛り上げた。
募金箱が設置された会場では、ボイルガニや紅エビ汁の限定販売のほか、サカタント内6店舗によるイベント特別メニューの提供、DJによる音楽イベントが催され、多くの来場者でにぎわった。西村専務は「被災者が一日も早く安心して生活を送れるための一助になれば」と話した。集まった募金やイベントの売り上げの一部は、市の「令和6年7月山形県酒田市大雨災害義援金」に寄付する。
2024年(令和6年) 11月5日(火)付紙面より
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酒田市の中通り商店街で3日朝、今季最後の「さかた北前朝市」が行われ、多くの買い物客や観光客らで早朝の商店街に活気があふれた。
中心市街地でかつては盛んに行われていた「酒田の朝市」を復活させ、にぎわい創出につなげることを目的に、中通り商店街や酒田商工会議所などで構成する酒田まちなかにぎわい協議会を母体とした実行委員会(高橋剛実行委員長、事務局・元気インターナショナル)が運営。5年目の今季は計6回開催した。
この日は、中通り商店街の2ブロックを通行止めにし午前7時にスタート。温かい納豆汁の振る舞いのほか、新鮮な野菜、海鮮、焼きたてのパン、玉こんにゃく、クラフト作品など既存の13店舗を合わせ計34店舗がずらりと軒を連ねた。
冷え込んだものの、柔らかな秋の日が差す中、訪れた人は店主らと会話を楽しみながら次々と目当ての商品を購入したり、椅子に座ってゆっくり朝食を楽しんだりと今年最後の朝市を楽しんでいた。中には開始早々に売り切れる店もあるなど、好評を見せていた。
実行委によると、観光客、リピーターも多く訪れ、市民への定着を実感した1年だったという。高橋実行委員長は「高校生や大学生も販売に参加するなど、店舗と市民みんなで盛り上げてくれてありがたい。来年は運営体制を確立させ、出店数を増やすなど内容を充実させて6月を迎えたい」と話した。
来年も6月の第1日曜日に再開する予定で、引き続き酒田の魅力を市内外に発信していく。
2024年(令和6年) 11月5日(火)付紙面より
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鶴岡市羽黒町松ケ岡のワイン醸造所「PINO COLLINA(ピノ・コッリーナ)ファームガーデン&ワイナリー松ケ岡」で3日、今秋収穫したばかりのブドウで醸造したヌーボー(新酒)2種が“解禁”された。同所のワインを広くPRしている全日本空輸(ANA)の庄内ブルーアンバサダーと来店者がカウントダウンし、解禁とともに乾杯した。
同所の今年のヌーボーは赤ワインの「ルージュ2024」と白の「ブラン2024」。ルージュは今年9月21日に収穫した「ピノノワール」で醸造した。甘酸っぱさの中に独特の苦みがあり、後味がしっかり残る新酒らしからぬ複雑な味わいに仕上がった。ブドウ本来の味を楽しんでもらうため無ろ過で仕立てた。
一方、ブランは9月10日ごろに収穫した品種「ゲヴュルツトラミネール」で仕込んだ。みずみずしくバラのような香りがし、ワインが苦手な人でも楽しめる味という。ルージュと同様に無ろ過で仕立てた。
同所によると、今年は春先の冷え込みや5月の霜ひょう害、7月の豪雨と天候不順が重なり品質の低下が懸念されたが、実が完熟する8月に好天が続き栽培スタッフの努力もあって糖度が高い良質のブドウに育った。一方でワインの原料となった2品種とも30%前後ほど収穫量が落ちたという。
この日、屋外のガーデンに約30人の来店者が集まり、解禁までのカウントダウンが行われた。国産ワインのヌーボーに解禁日などの取り決めはないが、先駆者の山梨県が11月3日に新酒を解禁しており、ピノ・コッリーナもこれにならっている。
ANA庄内ブルーアンバサダーの西紅映さんのカウントダウンで午前11時にヌーボーが解禁となり、あちこちで乾杯の声が響いた。振る舞われたロゼのヌーボーはペティアン(微発泡ワイン)で仕立てており、ピノ・コッリーナでしか飲めない味。口にした来店者は「ヌーボーらしいフレッシュな味わい。とてもおいしい」と話し合っていた。
ルージュ、ブランとも750ミリリットル入りで3278円(税込み)。各300本の限定販売となっており、ピノ・コッリーナのほか県内の各酒販店で取り扱う。問い合わせはピノ・コッリーナ=電0235(26)7807=へ。