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2024年(令和6年) 11月6日(水)付紙面より

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人口減少社会の中での幸福度は

 「全国47都道府県幸福度ランキング2024年度版」で、山形県は前回から順位を1つ下げて8位だったが、東北6県では最上位。民間シンクタンクの一般財団法人・日本総合研究所(寺島実郎会長)が、人口増加率、食料自給率、県民所得、財政健全度など85指標を比較して分析した。 

 寺島氏は「巨大レジャー施設などがなくても、地域おこしへの取り組み、インバウンド(訪日外国人)対策など、地方ならではの努力が幸福度につながる」と説明。さらに日本海物流での酒田港の伸び率は18・4%、全国平均の10・1%を大きく上回っていることも強調した。地域活性化への期待が持てる評価だ。

     ◇       ◇

 47都道府県幸福度ランキングの目的は、単なる順位付けではなく、その地域の政策課題や、その効果を把握することで、地域の魅力発信につなげることが狙い。県単位で対比できる客観的な指標を抽出して評価した。自分が住んでいる地域に対する暮らしの幸福度は、人それぞれの価値観で異なるが、同調査は地域で幸福感を持って生きることへの指標になる。調査は県単位での評価だが、庄内として捉えても当てはまる事柄が多いと思われる。

 幅広い年代層の、地方移住に対する関心が高まっている。地方移住を支援するNPO法人「ふるさと回帰支援センター」(東京)によれば、23年の移住相談件数(面談・電話・セミナー参加)は5万9276件、前年比6964件(13・3%)増え、過去最多になったという。山形県も6月に「やまがた移住・交流フェア」を東京で開き、各市町村が参加して魅力をPRしている。

 ふるさと回帰支援センターに、移住希望地についての窓口相談件数が多かった地域は1位静岡県、2位群馬県、3位栃木県、4位長野県、5位宮城県。公表された20位以内に山形県は含まれていない。上位ランキングの多くは東京から100キロ圏内に隣接している。交通・文化・子育て環境などへの意識が働いているためだろうかと、首都圏への偏りを感じる。

     ◇       ◇

 東京での「やまがた移住・交流フェア」での庄内5市町のセールスポイントは、鶴岡市が自分らしい暮らしを実現できる街、酒田市はご当地ラーメン総選挙日本一の港町、遊佐町は大切にしている何かを見つけられる町、三川町は県内で唯一山のない町、庄内町は風と共に生きる町。どれもそれぞれれの特徴を前面に出している。

 住みよさ、移住したい地域などについて、寺島氏は「ディズニーやUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のような楽しい施設がないことで幸福度が低い事にはならない」と語っている。地方ならではの特色あるものを生み出して上位にランク付けされている県もある。地方創生の地元の工夫も求められるようだ。

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