2024年(令和6年) 11月6日(水)付紙面より
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県教育局は「ペーパーティーチャー」(臨時教員など)を募集する。「教員免許は持っているが学校で働いたことがない」「教職を離れて長い月日がたった」―といった人を対象に県内4会場で説明会を開く。庄内会場は9日、三川町の県庄内総合支庁で。各分野で人手不足がクローズアップされている中、県内の教育現場でも「先生を確保したい」という背景がある。
県教育局によると、今年度(来年4月採用)の公立学校教員選考試験の志願者数と合格者数、志願倍率の内訳は▽小学校が志願者273人に対し合格者は177人(志願倍率1・5倍)▽中学校は245人に対し86人(2・8倍)▽高校は165人に対し36人(4・6倍)。10年前(2015年度)の志願者数を見ると小学校が382人(志願倍率3・8倍)、中学校は393人(7・9倍)、高校は292人(12・2倍)で、現在と比べて大きな隔たりがあることが分かる。
全国的に医師や介護職、タクシードライバー、建設、サービス業など幅広い分野で担い手不足と高齢化が取り沙汰されているが「学校の先生」も例外ではない。教育局では定年退職した先生に声掛けし、続けてくれるよう協力を働きかけている。山形大学は先月31日、約20年ぶりに教育学部を「復活」し、小中学校の教員免許を卒業要件とする課程(入学定員120人)を設ける構想を発表した。2026年春の開設を目指し、教員養成機能を強化する。
「ペーパーティーチャー」の説明会は今年で3年目。県内4会場(庄内、村山、最上、置賜)で▽学校教育の最近の動向▽常勤講師や非常勤講師の勤務形態について▽給与・休暇といった待遇面▽講師登録から任用までの流れ―などについて詳しく説明する。各会場では終了後に個別相談の時間も設ける。昨年、庄内会場の説明会には8人が参加し、このうち2人が就いた。今年は今月初めまでに5人の申し込みがある。
県教育局の担当者は「教員免許を持っていながら『私が先生なんて』と遠慮がちに思っている人たちが結構多い。こういう人たちを掘り起こすことが狙い。本県の教育に力を貸していただければありがたい」と話している。
庄内会場の時間は午前10時から11時半。申し込みは7日まで。電子申請(QRコードから)できる。詳しい問い合わせは県教育局教職員課=電023(630)3406、または庄内教育事務所総務課=電0235(68)1985=へ。都合で説明会に参加できなくても随時相談対応している。