2024年(令和6年) 11月7日(木)付紙面より
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地区防災や避難所運営の在り方を学ぶ研修会が2日、酒田市役所で行われ、参加した市民が運営組織の課題や解決策などについて意見を交わした。
有事の際の地域共助体制の強化を目的に、市は2021年から毎年、「女性防災リーダー育成講座」を開催している。今回、避難所運営の実効性向上などを図るため、女性受講者と、ボランティアセンターや避難所を運営する各地区の振興会やコミュニティセンター職員らが意見交換する研修会を企画した。
この日は男女約50人が研修会に参加。初めに育成講座の初回から講師を務めている東北大学災害科学国際研究所の保田真理さんが「住民協働で取り組む多様性に配慮した防災活動 防災コーディネーターの役割―地域に寄り添った防災活動」と題し講演。今年7月の記録的大雨の際に、避難所内で起きた課題や意見を提示した。
その後、参加者らは5班に分かれ、より良い避難所運営委員の組織編成などについて意見交換。豪雨災害での経験を踏まえ参加者は「物資運搬は男性、衛生・福祉関係は女性など、人員配置を性別で偏らせてしまうと男性だけ、女性だけではできないことがあったので、どの分野にも男女の人員が必要では」「少数で高齢男性ばかりの自治会員だけでの避難所準備や夜通しの避難受け入れなどは正直負担が大きかった。女性防災組織や消防団と一本化する組織体制ができないか」といった意見が飛び交った。
保田さんは「有事の際は行政や自治体を補うための人材が必要。今後、地域の避難所運営委員の中に女性防災リーダーを取り入れた組織づくりを展開していけたら」と話した。