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「食用ホオズキ」甘い香のおしゃれな“果実”

子どものころ、ホオズキの果肉を口で吸い取り、風船のように膨らませて笛にした経験はないだろうか。ホオズキと言えば、観賞用、子どもの遊び用というイメージが強いが、最近は食用のホオズキが注目を集めている。

「珍しい物が好きなしゃきっとの仲間が、昨年植えているのを見て、面白そうだからやってみようと思いました」。鶴岡市の百万石の里「しゃきっと」で食用ホオズキを販売している松浦節さん=小淀川=が栽培を始めたきっかけを語った。

さっそくホオズキが植えてある自宅近くの畑に連れて行ってもらった。皮というか袋が茶色い。山吹色を思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれない。鈴なりとまではいかないが、結構たくさんの実がなっている。「花が咲いた後、緑色の袋がつきます。薄い茶色に変わり、繊維がはっきりと浮かんできたら収穫期です」。

見た目もきれいな食用ホオズキと松浦さんの手作りジャム

よく見るとなるほど、繊維が浮かび上がったホオズキがある。「花が咲いているものが多いので、収穫期は意外に長いかもしれません」。松浦さんにとっては「うれしい誤算」のようだ。「本来は倒伏防止に支柱を設置するのですが、わたしはほったらかし。農薬も使わず、消毒もしていません」と笑った。

自宅に戻り、収穫した食用ホオズキを見せてもらった。袋の部分を内側に折って、きれいに箱に並べてある。「傷んでいたりするといやなので、中が見えるようにしているんです」。松浦さんの配慮もうれしい。

「ジャムを作ってみました。ヨーグルトにかけて食べてみてください」。手作りジャムをごちそうになった。これまで体験したことがない酸味と甘みが口の中に広がる。料理好きなら用途は広そうだ。

次に生の食用ホオズキを口に入れる。袋から外すと、甘い香りが鼻腔をくすぐる。さわやかな酸味と甘みは女性向きの味に思える。「ちょっとおしゃれでしょう。レストランの料理の付け合わせにいいと思います」。同感だ。

1カ月前、県庄内総合支庁酒田農業技術普及課を訪れた際、シロップで煮た食用ホオズキを浮かべた紅茶をごちそうになった。ゴージャスな紅茶に感激したのを思い出した。

食用ホオズキはビタミンA、鉄分、ビタミンB群のイノシトールが豊富で、栄養価の面からも優れた素材。「インターネットで調べたら、8個300円でしたが、試作なのでわたしのは7個で80円です。連休は手作りジャムとビスケットを持参し、試食販売します」。松浦さんの食用ホオズキは鶴岡市覚岸寺の「しゃきっと」=電0235(29)9963=で販売している。

松浦さんのおすすめレシピ

食用ホオズキのジャム

○材料

食用ホオズキ100グラム、グラニュー糖30グラム、レモン汁少々、水あめひとつまみ分

○作り方

  1. 食用ホオズキの皮を手でむき、へたを取り除いたら包丁で二等分する。
  2. グラニュー糖を入れて10分ぐらいなじませておく。
  3. 鍋にかけ中火で煮詰め、水分が飛んできらひとつまみの水あめを加える。
  4. さらに煮詰めレモン汁を入れたら火を止める。

メモ

グラニュー糖は食用ホオズキの30%の分量、煮る時間は30分が目安。

2009年10月10日付紙面掲載

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