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「つるな」歯触り良い万能野菜

ハウスで栽培しているつるな。梅木さんが手際よく新芽を摘む

さて次回の素材は何がいいだろう? そう考えながら鶴岡市の百万石の里「しゃきっと」に顔を出すと、「つるな」と書かれた野菜があった。「ツルムラサキの仲間ですか」。佐藤清子店長に聞いたら、全く別の野菜という返答。そして「わたしも今年、初めて食べてみました。おいしくて、弁当にも入れています」と強く勧められた。

「米作りが主体で、野菜は自家用に作っていたぐらい。2001年にしゃきっとがオープンする際、通年で出せる野菜がないかと考えて栽培したのがつるなでした」。しゃきっとでつるなを販売している梅木繁井さん=茅原町=が当時を振り返る。

つるなは春に種をまき、初夏から初冬にかけて収穫する。「ツルムラサキと一緒で、葉物野菜が少なくなる夏にぐんぐん成長します。茎から出てきた新芽を手で摘むだけ。何度も収穫できるのもありがたいです」。笑顔が返ってきた。

どんな料理が合うのだろうか。「特別の調理法があるわけではないです。ホウレン草や小松菜と同じように考えてもらえばいいと思います。ゆでてかつお節としょうゆなどのおひたしやあえ物、いため物など何でもOKです。わが家ではかき揚げの色付けにも入れています。くせがないのでいろんな料理に使えますよ」と教えてくれた。

取材に同席した佐藤店長に「さくさくとした歯応えがおいしいのよ。ほかの野菜では味わえない食感です」と言われ、口に入れてみた。確かにさくりとした歯触りが心地よい。山菜の青ミズをイメージしてもらうといいかもしれない。くせがなく、しょうゆもマヨネーズも合う。

「若い人は硬めにゆでた方が好きなようですが、主人は歯が弱くなったので軟らかい方がいいと言っています」と話すように、ゆで方はそれぞれの好みに合わせた方がよさそうだ。調べてみると、つるなはカロテンやビタミンBとCなどを多く含み、「浜ぢしゃ」の名で胃病の薬用に利用されてきたらしい。

ハウスに連れて行ってもらった。「冬は成長が鈍る」と梅木さんは話すが、緑色の新芽が勢いを感じさせる。梅木さんが手で次々と摘み取っていく。所々に黄色い花も見える。

つるなを鶏肉と一緒にいためてみた。火は軽く通す程度にとどめ、しょうゆとコショウで味付けした。中国野菜を思わせるつるりとした食感で、ゆでて良し、いためて良しの万能野菜だと感じた。火加減は好みに合わせるのがいいかもしれないが、個人的にはさっと通る程度で十分な気がした。新芽を摘み取っているので、いためる場合は包丁を入れる必要はなかった。その点も重宝な野菜だと思った。

今回はおすすめレシピはなし。それぞれの好みの料理を味わってください。梅木さんのつるなは200グラムで80円だが、「230グラムぐらい入れています」と話すようにボリューム感がある。鶴岡市覚岸寺のしゃきっと=電0235(29)9963=で12月まで販売している。

2009年12月5日付紙面掲載

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