読者の方はちりめんキャベツという野菜をご存じだろうか。恥ずかしながら今回の取材で初めて知り、いろんな野菜があるものだとあらためて感心した。マスクメロンのような外観のキャベツと聞き、好奇心をかきたてられながら取材先へと車を走らせた。
「普通のキャベツと違い、生だと甘みがありません。ゆでると甘みが出るんですよ」。三川町の物産館「マイデル」でちりめんキャベツを販売している本間美紀さん=横山=が持ち味を語った。
「同じ物ばかりが産直に並んでいても面白くないと思って栽培を始めて6年ほどになります。最初は珍しがられましたが、売れませんでした。でも、一度買ってくれた人はお得意さまになります」と笑顔が返ってきた。露地とハウスの両方で栽培し、11月から12月にかけて露地物を販売。取材したときはハウス物が出る直前の「端境期」だった。
マイデルにほど近いハウスに連れていってもらった。確かにまだ小さい。ちょっと見た感じは白菜のようだ。「大きくなると葉がちりめん状に縮れ、マスクメロンのようになるんですよ。3月上旬にはマイデルに出せると思います」と話した後、「ネズミにかじられてしまうものもあるんです」と顔を曇らせた。
調理法について聞くと、「うちではさっとゆでて、温野菜で食べます。わたしたちはかつお節としょうゆ、若い人はマヨネーズが合うようです」と話した後、「郷里を離れた娘にも送ってあげます。トマト鍋やシチュー、ポトフ、スパゲティなどに使うとおいしいと言っていました」と教えてくれた。
収穫するにはまだ早いちりめんキャベツを無理を言っていただいた。帰宅後、ポトフに入れてみると、煮込むほどにスープの味がしみ込みおいしい。生で食べた時は青臭みを感じたが、火が通ると甘みが乗り、全く別の野菜になる。煮崩れしないのもありがたい。
ゆでたちりめんキャベツをマヨネーズで食べてみた。こちらも甘みがあり、おいしかった。ロールキャベツや煮込み料理などいろんな料理に合いそう。日持ちもするというから使い勝手が良さそうだ。
記事が出るころには見事なちりめん状になって店頭に並んでいるはずだ。サイズにもよるが、1個120円前後。普通のキャベツよりやや割高だが、一見の価値がある野菜と言えそうだ。三川町横山のマイデル=電0235(68)2500=で販売している。
ちりめんキャベツ1/2個、トマト1個、鶏肉、白ワイン50㏄、ホールト マト1缶、オリーブ油50㏄、ニンニク1片、コンソメスープの素大さじ1、塩小さじ1、コショウ少々
トマトを崩しながら食べる
2010年3月6日付紙面掲載