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「湯田川孟宗」手間暇かけ育つ“本場物”

朝掘り孟宗の根元は包丁できれいに切り落とされる

庄内地方で「孟宗の本場」と言えば、鶴岡市の湯田川地区が思い浮かぶ。4月の低温で今年は各地の収穫が遅れ、大型連休期間中は産直施設の店頭にも孟宗はほんの少し並んだだけ。がっかりした人も多かったのではないか。

「まだはしりですから、小ぶりの物ばかり。いつもの年は4月28日には初物が出ますが、今年は5月3日でした。産直の店頭に孟宗を並べているうちに買っていく人がいるんですよ」。鶴岡市の産直館などで湯田川孟宗を販売している瀬尾富子さん=藤沢=が笑う。

金峰山の懐にある湯田川地区は、粘土質の赤土が孟宗の栽培に適していると言われている。もちろん、それだけでおいしい孟宗が育つわけではない。「収穫を終えた6月と秋、それに春先にも肥料をやります。草の下刈りも欠かせません」。見えないところで手間暇がかかっているのだ。

午前6時半すぎ、家族が竹林から掘ってきた「朝掘り孟宗」が瀬尾さんの元に届いた。「小さいのばかりでかわいいでしょう」と目を細める。「わが家では、小さ過ぎて出荷できない孟宗を毎日、食べています」。孟宗好きにとっては何ともうらやましい話だ。

瀬尾家の孟宗汁をごちそうになった。ありふれた表現になるが、えぐみが全くなく、甘みがあり、そして軟らかい。鮮度抜群の地孟宗の「実力」をあらためて知った。湯田川では根元が真ん丸ではなく楕円形に近い平孟宗が特に珍重されるのだそうだ。「理由はよく分かりませんが、丸い孟宗より軟らかくておいしいのかもしれません」と教えてくれた。

毎日でも食べられる瀬尾さんの湯田川孟宗は、サイズにもよるが100グラム70円―。鶴岡市白山の産直館白山店=電0235(25)6665=で販売している。ピーク時には同市日枝の産直こまぎ=同(35)0660=にも持っていくそうだ。

瀬尾さんのおすすめレシピ

孟宗の甘辛煮

○材料

ゆでた孟宗500グラム、こんにゃく半分、だし汁2カップ、A(しょうゆ、み りん各1/4カップ)、B(砂糖大さじ2、しょうゆ大さじ1)、赤唐辛子適量

○作り方

  1. ゆでた孟宗を1センチ角に切る。
  2. 鍋にだし汁とAを入れて煮立て、ゆでた孟宗とこんにゃくを加えて10~15分ぐらい煮る。
  3. Bを加え、汁がなくなるまで煮る。汁が少なくなったら、焦げ付かないように混ぜながら味を含ませ、最後に赤唐辛子を振る。

メモ

シイタケやニンジンなどを入れ、サンショウの葉を散らしてもよい。

2010年5月8日付紙面掲載

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