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「四川きゅうり」たまらないパリパリ感

夏野菜の代表格の一つがキュウリだろう。最近は下処理を簡単にするため、イボがない品種もある。ところが、鶴岡市の百万石の里「しゃきっと」をのぞいて、時流に逆らうようにイボというかトゲがたくさんあるキュウリに出合った。「四川きゅうり、パリパリおいしい」と書いてある。本当だろうかと、半信半疑で栽培者の萬年京子さん=湯田川=を訪ねた。

「普通のキュウリでは面白くないと思い、3年前から栽培しています。国内の種苗会社が開発したキュウリです。最初は好奇心から買っていく人が多かったようです。男性はもろきゅう、女性は漬物にしてパリパリ感を楽しんでいるようです。皆さん、おいしいと喜んでくれます」と萬年さんが誇らしげに語る。

イボがびっしりついている四川きゅうり。見た目は「昔風」だが、とてもおいしい

湯田川から田川に抜ける旧道そばのハウスに連れて行ってもらった。確かに普通のキュウリよりイボが多く、しかもびっしりとついている。「チカチカして素手で触ると痛いので、収穫時にキュウリを握る左手に軍手をします」。触ってみるとイボというよりトゲのようだ。指先に刺さってしまい、思わず「痛い」と口にした。だが、触って痛いのが新鮮さの証しだそうだ。時間がたつと痛くなくなるらしい。

色はというと、普通のキュウリよりやや薄い緑で、少し白っぽい感じがする。「山間地で栽培すると、白くかすみがかかったような色になるそうです。でも、それも鮮度の良さを表しているんですよ。『農薬の色では』と言われたことがありますが違います。農薬は極力抑えていますから」。

もろきゅうはもちろん、漬物など料理法は普通のキュウリと変わらない。ただ、塩をすり込む「板ずり」をする必要がないそうだ。「水で洗うだけで十分。よく冷やして、チカチカ感もぜひ味わってほしいですね」と笑う。

帰宅後、頂いた四川きゅうりをもろきゅうで食べてみた。なるほど歯切れが良くパリパリしている。しかも、みずみずしくて青臭みがない。薄切りにしてみそマヨネーズとあえてみたが、パリパリ感は失われず、とてもおいしかった。見た目は「昔のキュウリ」だが、味はいい意味で「今風」だ。

「今年は通年栽培をしようと思っています」と萬年さんが話す四川きゅうりは4本入って1袋100円。普通のキュウリより収量が落ちるため、やや割高になるそうだが、リピーターが多い人気商品だ。鶴岡市覚岸寺のしゃきっと=電0235(29)9963=にはキュウリを使ったレシピも置いてあるので、いろんな料理に挑戦してほしい。

萬年さんのおすすめレシピ

四川きゅうりのピクルス

○材料

キュウリ400グラム、A(酢120㏄、水90㏄、砂糖大さじ3、塩小さじ1・1/2)、B(ローリエ1枚、タカノツメ1本、粗びきコショウ少々)

○作り方

  1. キュウリは一口大に切る。
  2. Aの材料を鍋に入れて煮立てる。
  3. あら熱を取ってから1のキュウリとBを入れる(瓶を使ってもいい)。

メモ

2~3時間で食べられる。汁はもう一度使える。

2010年7月17日付紙面掲載

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