素材を探しに鶴岡市櫛引地域の産直あぐりをのぞいていて大きなシシトウを見つけた。ジャンボとうがらしと表示してあり、「ちょっと辛い」と説明書きが添えてある。興味を持って生産者の菅原陽子さん=田代=を訪ねると「私は変わった野菜を作るのが好き。去年は塩味のアイスプラントという野菜を植えました。お客さんに去年、『辛いナンバンはないか』と言われたので、今年はこれにしました」と収穫したばかりのジャンボとうがらしを見せてくれた。
見た目は大きなシシトウという雰囲気だが、細いピーマンのようでもある。そう話すと、「ピーマン、シシトウ、どちらの料理法にも使える野菜です。ちょっと辛いピーマンといったところでしょうか。今年は『ちょい辛』がはやっているそうなので、あぐりでもそう表示してみました」と笑顔が返ってきた。
畑に連れて行ってもらった。成長途中の小さいものは、見た目もシシトウと変わらない。大きくなると膨らみが増してくる。「本当はもっと大きく育ってから出すのだそうですが、私は待ちきれなくて…。15~20センチになったらあぐりに出荷しています」。シシトウより肉厚な感じだ。
「揚げ物やいため物、つくだ煮などいろんな料理に使えます。チャーハンに細かく刻んで入れると辛みがあるので、コショウを使う必要がありません。でも、私が一番好きなのは揚げびたしです。冷たくした揚げびたしはすごくおいしい。ナスとすごく合うんですよ」とおすすめレシピを紹介してくれた。「パスタに入れてもいいし、ピーマンのようにサラダに使っても食べられます」。いろんな料理を楽しめそうだ。
頂いたジャンボとうがらしを素揚げにしてそうめんと一緒にたれで食べてみた。もちろんナスも添えてある。食感はピーマン、味はシシトウに近い気がする。シシトウより肉厚だ。揚げる時間は短めにした方がよさそうだ。さっといためてしょうゆで味付けする。揚げたものより辛みが強いように思えたが、たまたま少し辛いジャンボとうがらしに当たったのかもしれない。肉厚でしゃきっとした食感が心地よい。火はさっと通す程度がいいかもしれない。
翌朝、めんつゆにひたしておいたものを食べてみる。つゆの味が染みて程よい辛さとマッチしている。ここでもナスが活躍している。ご飯のおかずにも酒のつまみにも合いそうだ。食欲が落ちる暑い夏には栄養補給の面からも最適だろう。
「買って食べておいしいと思った人がまた買う。リピーターが増えています」と菅原さんが話すジャンボとうがらしは3~5本入って150グラムで100円。月まで鶴岡市西荒屋の産直あぐり=電0235(57)3300=で販売している。
ジャンボとうがらし、めんつゆ
好みでつゆに酢やごま油を入れてもよい。
2010年7月31日付紙面掲載