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「トマピー」甘みはパプリカ以上

素材を探しに鶴岡市の産直館のぞみ店をのぞいていて、面白い形の野菜を見つけた。赤くてトマトのようだがちょっと違う気がする。ラベルには「トマピー」と書いてあった。

「セニョリータフルーツパプリカというのが正式な名前らしいのですが、種苗メーカーの解説に『トマト型のピーマン』と書いてあったので、『トマピー』の名で販売しています。その方が買う人も分かりやすいような気がして。トマピーという野菜はほかにあるようですが…」。佐藤芳子さん=谷定=が申し訳なさそうな顔をした。

産直館のぞみ店ではトマトを主力商品と位置付ける。佐藤さんもいろんな品種を栽培している。「わたしは今年からトマト栽培を本格的に始めました。ハウスの空いたスペースにパプリカやミニトマト、トマピーを植えています」。

見た目はトマトを思わせるが、味と食感はパプリカに近いトマピー

収穫直前のトマピーは色も赤く、形は梅の花びらのような五角形で、直径は5―7㌢ぐらい。ルックスからはちょっと面白い形のトマトとしか思えない。「最初は緑色で徐々に赤く色付き、真っ赤になります。緑色の時点でも収穫できるそうですが、わたしは『完熟』してから出荷しています」。

もぎ取ったトマピーを手渡された。重量感からやはりトマトだと思ったが、鼻に近づけるとパプリカのような香りがする。味わいはパプリカに近いのだろうと直感した。それなら料理法も…と想像していると、「スライスしてサラダに添えたり、肉や野菜といためたり。食べ方はパプリカと一緒。甘みがあり、赤い色がきれいです。のぞみ店のスタッフはパプリカよりも甘みが強いと話していました」と予想通りの答えが返ってきた。

トマピーの隣に赤いパプリカが見える。「店で一緒に並べると、知名度が高いパプリカの方が売れる。それで黄色のパプリカとセットにして袋に詰めてみました。でも、今は黄色が終わり、パプリカは赤だけ。トマピーと同じ色なのでセット販売は無理ですね」と苦笑いした。

おすすめレシピは夏野菜がたっぷり入ったドライカレー。いため物、サラダと並ぶ佐藤家定番のトマピー料理なのだとか。「ピーマンのように肉詰めもいいかもしれませんね」と付け加えた。

頂いたトマピーをスライスしてキュウリなどとサラダにしてみた。中に種が入っていたので取り除く。赤い色に誘われたのか、ピーマン嫌いの子どもが口にし、「甘くておいしい」と歓声を上げた。なるほどパプリカよりも甘い。正式名に「フルーツ」の冠が付くのは伊達でないようだ。

ちょっとぜいたくかとも思ったが、肉詰めにも挑戦。肉汁とパプリカの甘みが融合しておいしい。火を通すことで甘みが増すようだ。ナスやキュウリなどを入れたドライカレーも作ったが、トマピーの甘みを十分に味わうことができず、もったいない気がした。次回は野菜いためにして、彩りも味わってみたい。

佐藤さんのトマピーは3~4個入って80~100円。鶴岡市のぞみ町の産直館のぞみ店=電0235(35)1477=で今月下旬まで販売している。

佐藤さんのおすすめレシピ

夏野菜入りドライカレー

○材料

トマピー、トウモロコシ、ナス、ズッキーニ、ピーマン、ニンジン、タマネギ、ひき肉、カレー粉、ご飯

○作り方

  1. 野菜はすべてみじん切りにする。
  2. ひき肉をいためてからタマネギを加え、さらにいためる。
  3. ほかの野菜を全部入れていため、最後に適当な分量のカレー粉を入れて味を整える。
  4. 器にご飯を盛り、3にかける。

メモ

ほかの調味料は使わず、素材の味を生かすのがポイント。たくさんの野菜が入ったドライカレーを子どもたちも喜んで食べます。

2010年9月18日付紙面掲載

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