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「タアサイ」色鮮やかな中国野菜

今回取り上げる素材はタアサイだ。「名前は聞いたことがあるな。どんな野菜だっけ。中国野菜かな」と思いながら、鶴岡市白山のJAグリーン鶴岡店産直館に出荷している諏訪和子さん=西目=を訪ねた。

「その通り中国野菜ですよ。春まきと秋まきがありますが、私は春に採る秋まきを植えています。冬を越した新芽は甘味がのっておいしいんですよ」という答えが返ってきた。

さっそく現場を見せてもらった。緑色が濃く葉にもしわが寄っている。「離して植えると地べたを這うようにぱあっと広がります。今の時期は新芽を摘み取って袋詰めにしますが、春まきの人は株ごろ秋に収穫して出すようです」。深い緑色で横に伸びる形には確かに見覚えがある。

タアサイは2月の収量が多いので如月菜(きさらぎな)とも呼ばれるそうだ。1930年代に導入されたが、戦時中に減少し、72年の日中国交回復を機に再び注目を集めるようになった。諏訪さんが栽培を始めて3年になる。「変わったものを植えたい」と思い続けていた時、農協の種売り場でタアサイに出合った。ハウスと露地物を半々で栽培している。

「ハウス物は年明けから収穫できます。今は露地物に切り替わったところ。春に追肥します。化学肥料は使いたくないので、米ぬかや油かすなので作った自家製のたい肥をやります」と話す。

タアサイはいかにも中国野菜というようなルックスをしている。小松菜などの仲間で、カリウムやカルシウム、鉄分などを豊富に含む。「色鮮やかで即、栄養になりそう」というのもうなずける。

「最初はとっつきにくいのか、あまり売れませんでしたが、レシピを置いたら反応が違いました。『今の時期は葉物が少ないのでありがたい』と言って買ってくれます。若い人も多いですよ」。

取材中、諏訪さんの携帯電話が鳴った。「メールです。持たされているけど、押し方を間違うと分からなくなってしまう」と苦笑いする。産直館から「完売」を知らせる連絡だった。「今日は15個、昨日も25個全部売れたんですよ」とにっこり。人気は定着しているようだ。

濃い緑色と独特のルックスに特徴があるタアサイ

タアサイのおいしい食べ方について聞いてみた。「おひたしもいいけど、焼き肉と合います。肉がなかったら、イカやエビを代用してください。焼き肉のタレでタアサイだけいためてもいいです。くせがなくさっぱりした味です。火を通しすぎず、さっといためるのがコツです」という答えが返ってきた。中国野菜だけに油との相性は抜群らしい。

帰宅後、いただいたタアサイをさっそく豚肉といためてみた。くせはないとはいうものの、中国野菜ならではの「風味」を感じた。なるほど肉が引き立つ。「ゆでてマヨネーズで食べるのもいいですよ」。次回はあっさりした食べ方も試してみたい。

インスタントラーメンにも入れてみたがこれもなかなか良かった。スープやみそ汁の具としても重宝しそう。新芽だけに体が生き返るような感じがした。180g入り130円前後で5月10日ごろまで産直館で販売している。

諏訪さんのおすすめレシピ

タアサイの豚肉いため

○材料

タアサイ1束、豚肉150g、しょうゆ大さじ2、酒大さじ1、塩、コショウ各少量

○作り方

  1. 豚肉は一口大に切り、タアサイは洗って3センチくらいに切る。
  2. 豚肉とタアサイを油でいためる。
  3. しょうゆと酒、塩、コショウで味を整える。

メモ 火を通しすぎないように。好みでウスターソースを入れても良い

2007年4月21日付紙面掲載

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