「フリーダム」皮薄く表面つるり／庄内山の幸60

子どもたちが好きなので、わが家では結構キュウリを使う。生のままみそを付けて食べさせるのだが、「イボイボ」は包丁で取り除くようにしている。ほんのひと手間とはいえ、面倒くさいと感じるときがある。今回取り上げる素材はイボイボがないキュウリ、フリーダムだ。

「そんなキュウリってあるのだろうか」。こんな疑問を持ちながら、遊佐町の道の駅「ふらっと」でフリーダムを販売している鈴木廣世さん＝下藤崎＝を訪ねると、「イボイボがなくてつるつるしているんですよ」と笑顔が返ってきた。

さっそく現物を見せてもらう。確かにキュウリ特有のイボがない。一般のキュウリより緑色が濃く、表面はつるりとしている。言葉で説明するのは難しいが、編集局に持ち帰ったら、目にした女性スタッフの一人が「ズッキーニみたい」。なるほど「細いズッキーニ」の表現がしっくり来る。

鈴木さんは6年ほど前から栽培に取り組み、農協経由で首都圏の生協に出荷している。「消費者にも好評で毎年、出荷量が増えています。曲がっていたり、基準の長さや太さに達しない規格外品をふらっとで販売しています」。形は良くなくとも味は変わらないそうだ。

イボがないだけではない。フリーダムは一般のキュウリに比べて皮が薄い。つまり食べやすいというわけだ。これが消費者の心をつかむもう一つの理由だろう。「風が吹くと傷が付くので露地はだめ。ハウスで栽培しています」というのも納得。

キュウリだけに料理法は生食や漬物がメーン。「うちではほとんどが一夜漬けです。翌日の漬物がない時、寝る前に砂糖と塩を半々、それに焼酎を入れて漬けると、朝食時に食べごろになります」と話す。

「これが昨日、漬けたものです」と浅漬けを出してくれた。みずみずしくておいしい。普通のキュウリより水分が多いような感じもした。

「もろきゅうもおいしそうですね」と口にしたら、フリーダムと一緒に女性グループの手作りみそも登場。皮の薄さはもろきゅうにするとよく分かる。遊佐産の大豆を使った赤みそとフリーダムが合わないわけはない。

鈴木さんのおすすめレシピはフリーダムのしょうゆ漬け。すりおろしたニンニクとだしじょうゆを使う。「ニンニクの辛みがきいておいしいですよ」と話す。ほかにもサンドイッチやサラダなどに重宝しそうだ。

「こっちの方がおいしいから普通のキュウリはやめた」と鈴木さんが話すフリーダム。５本入り185円。８月末までふらっとで販売している。手作りの「あかり味噌」（700g、380円）とセットでの購入もいいかもしれない。

鈴木さんのおすすめレシピ

フリーダムキュウリ１kg（10本ぐらい）、だしじょうゆ半カップ、砂糖30g、酒大さじ２、すりおろしニンニク　２かけ

2007年6月9日付紙面掲載