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価格差大きいアイナメ

読者の方から「アイナメの旬はいつでしょうか。刺し身以外の料理法はありますか。磯釣りでかかるアブラコとも似ているような気がしますが、別の魚でしょうか」という質問をいただきました。

アイナメは以前も取り上げましたが、覚えていますか。この辺では磯新上(丈)とも呼びます。全国的には春が旬となっていますが、庄内の旬は夏です。最近、水揚げが減っていて、価格も高くなってきています。

漁法にもよりますが、アイナメは身が硬い、コンディションがよい状態で水揚げされることが少ないのです。体が弱りやすいからです。刺し身に適するものと適さないものとでは大きな価格差が生じます。「腐っても鯛」と言われるタイとは全く違います。

アイナメは住む場所や季節などで体の色が違うことがあります

アイナメは冬に産卵します。体の色が茶色のものと黄色のものがいて、住む場所や鮮度でも体の色が違います。茶色が一般的ですが、産卵の時期の雄は黄色くなります。アイナメには雄が卵を守る習性があり、そのために攻撃的になった雄の体の色が黄色になるのだそうです。

家庭で刺し身以外の料理にするとしたら、冬なら切り身にして塩焼きにするのがいいでしょう。お吸い物にするといいだしが出るのでおすすめです。

アイナメは結構、値段もいいので、家庭では扱いにくい魚かもしれません。湯野浜の旅館だといろんな料理が出てきます。福島の相馬市にアイナメのみそたたきという有名な料理があります。刺し身にする部分をみそと一緒にたたくのだそうです。

ご質問にありましたが、アイナメはアブラコとは別の魚です。アブラコは、私が入社したころは、鶴岡の魚市場にもいくらか流通していました。磯釣りでかかる魚なのに、市場に来ると結構いい値段が付きました。料理屋さんのお得意様用の魚だったのかもしれません。今では釣り人のための魚になり、市場には流通しなくなってしまいました。

庄内浜で先週、ハタハタがものすごく捕れました。1つの浜で1日に1000~2000箱が揚がったのです。なぎが続いて底引き網船が連日、操業していたからです。今は産卵のために接岸する前なので、ハタハタは安くておいしいと言っていいと思います。ただ、大黒様で使われる1匹100グラム以上で子持ちという大型サイズは少なく、1割にも満たないほどです。来月の大黒様を心配する人もいるようです。

「庄内浜の冬のカレイ」と私が思っているダイバガレイ(ミズガレイ、ムシガレイ)が見え始めてきました。これまでは焼き物が中心でしたが、ダイバにアワフキ(ナメタガレイ、ババガレイ)と、これからはカレイの煮付けが楽しめると思います。タラも揚がっていますが、まだ白子は透明感があり、未成熟で、生食には不向きです。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店社長・手塚太一)
2008年11月20日付紙面掲載

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