つみれにアマエビ／庄内海の幸117

読者から「スーパーでサンマを買おうとしたら、サンマのつみれをすすめられました。鍋物にしておいしく食べましたが、サンマ以外でつみれにしておいしい魚、食べ方などを教えてください」という質問をいただきました。

サンマ以外でつみれにしておいしい魚を挙げるとすると、大衆魚ならまずイワシでしょう。今が旬のものならサケがいいと思います。どちらもおいしいつみれになります。サケの場合は、野菜も一緒にすり身に交ぜると、味と食感が一段と増します。ほかにタマネギやネギを加えれば、アクセントも付きます。

アマエビは今、価格が安いのでおすすめです。１度、白身魚とつみれにしてみてください

もったいないと思う人もいるかもしれませんが、おいしそうな魚の切り身を買い求めて皮を取り、ミキサーにかければ簡単につみれは作れます。あらゆる魚がつみれになると言ってもよいでしょう。子どもたちは、団子のような丸いものが好きです。これから鍋物がおいしくなる時期ですから、旬の魚を使ったつみれをぜひ試してみてください。ただし、皮と大骨は取り除き、小骨は口に残らない程度にミキサーで細かくしてください。

庄内浜で今、捕れているもので言うと、スケトウダラやホッケ、オキギスは価格も安く、すり身になったものも売られています。これらの魚を複数入れてすり身にし、さらに野菜も加えると、色合いもよく、おもしろいと思います。おいしいだしも出るので、しょうゆや塩など味付け以外のよけいな調味料を足す必要はありません。

今回は、アマエビのつみれを紹介したいと思います。アマエビと白身魚でつみれを作ってみてください。白身魚なら何でも大丈夫です。アマエビは包丁で少し粗めにたたいてください。つなぎに塩を使うと粘りけが出てきます。さらにアレンジするなら、ニンジンやシイタケ、タマネギ、長ネギなどを足すと、おいしくなります。アマエビを使うなんてもったいない、と思うかもしれませんが、今は価格が安いのです。ぜひ挑戦してみてください。

アマエビのつみれは、地元の料理屋さんが教えてくれました。アマエビは足が早い、こちらの言葉で下がりやすい素材です。刺し身にするのは無理という時に、お店のまかない料理、つまりスタッフの食事用や「隠れメニュー」として、アマエビをつみれにしているのだそうです。本当はあまり公開したくないとのことでしたが、読者の皆さんに魚のおいしいさ、食べ方を知ってほしいという願いから特別に教えてもらいました。アマエビのつみれなら、家庭でも簡単に作ることができると思います。鍋の具材やお吸い物はもちろん、あんかけにするのもいいでしょう。

（鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店社長・手塚太一）
2008年11月21日付紙面掲載