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夏からおいしいホッケ

読者から「庄内浜ではたくさんのホッケが揚がるようですが、旬はいつですか。生のものはスーパーではあまり見かけません。干物で流通しているのでしょうか。刺し身で食べることはできますか」という質問をいただきました。

ホッケは、水揚げ量に多少の変動はあるものの、一般的にトロール漁、つまり底引き網漁が行われている時期に捕れ、旬は夏から秋です。主に5月から11月ぐらいがおいしい時期になります。今は、船でメバル釣りをする人の竿にかかったりもします。ホッケもその付近にいると思っていいでしょう。産卵が近づいているので、陸に割と近いところに来ているのです。ホッケは寒流系の魚ですから、比較的深いところにいて、水温が変わると漁場も変わります。

ホッケは底引き網漁で捕れます。干物が一番なじみ深いかもしれません

調理法は、干物が一般には広く知られています。皆さんも鼠ケ関で干物にして売っているのを見たことがあるのではないでしょうか。すり身の原料にもなり、地場消費はもとより、県外にも出荷されています。刺し身にすることも可能ですが、アニサキスなどの寄生虫がいる可能性があります。サケ、マスと同じように一昼夜マイナス20度で冷凍してから食べるようにしてください。コアミにも言えますが、生で食べる際は「自己責任」ということになります。注意してください。

漢字では魚偏に花と書いてホッケと読ませたりもします。海の表面に群れた幼魚が美しい青緑色をしていて、花のようだからだそうです。産卵期の雄はコバルト色になり、鮮やかな唐草模様が見られるからという話もありました。鶴岡では本久と書いてホッケと読ませます。ほかに北方と書くところもありました。

ホッケは、出世魚ではありませんが、成長過程などで呼び名が変わります。4~16センチを青ボッケと言い、それよりやや大きいものをろうそくボッケ、18~20センチぐらいで3月から5月にかけて沿岸に寄るものを春ボッケと呼びます。成長しても群れをつくらず回遊もせず、根魚のように一定の場所にいるものは根ボッケです。北海道の礼文島で秋に捕れる1キロ以上の根ボッケは最高級品でキングと言われているそうです。

日本のホッケは真ホッケ、海外から干物などになって入るのはシマホッケと種類が違います。シマホッケはよく見ると、皮にしましま模様があります。一般的に真ホッケよりも脂ののりはいいようです。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2008年4月20日付紙面掲載

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