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漬け焼きポイントは塩

読者から「春祭りの席で魚の漬け焼きを出したいと思っています。今の時期、みそ漬けにするのにおいしい魚は何ですか。漬ける時に知っておいた方がいい知識、ポイントもあれば教えてください」という質問をいただきました。

庄内の春祭りで使う魚として思い浮かぶのはタイとサクラマスだと思います。魚を漬ける場合、みそか酒かす、またはみそかすということになるでしょう。今の時期に漬けるなら、やはりマスかコダイがいいと思います。スズキ、ウマヅラもおいしくなってきています。ハタハタもいい時期に入ってきました。ハタハタはしょうゆ漬けにしてみてください。

質問の中に「魚を漬ける時に知っておいた方がいい知識、ポイントは」とあったので、うちの加工部門を担当している工場長に聞いたり、料理人の方たちにお知恵を拝借しました。いろんなやり方があるようです。以下は聞いた内容を総合したものです。魚を漬ける際の参考にしてください。

魚はかす漬けやみそ漬けにしてもおいしいです。ぜひ挑戦してみてください

魚を漬ける前に大切な下ごしらえがあります。それはふり塩だそうです。魚の腹、つまり内臓を取った後、塩をふります。最低でも2時間以上、できれば半日から1日おいてください。これは余分な水分と生臭みを取るためで、同時に魚の身も締まります。そして味の基本となる下味を付けることにもなります。

塩の量は、後からプラスするみそ、または酒かすも含めた総合的な分量を頭に入れてください。みそには塩分が含まれているので、みそ漬けよりかす漬けの方が塩は多めにふった方がよいでしょう。みそ漬けにする場合は、漬ける時間を少し短くしてもいいかもしれません。

味のしみ方についてお話しすると、魚は脂がのっている方がしみにくく、脂がないとしょっぱくなりやすいのです。今の時期なら、コダイは脂がのっているので塩は多め、タイコは逆に少なめというように加減してください。これまでにも何度か説明していますが、コダイはチダイの子、タイコはマダイの子のことです。

漬ける時間は最低でも1日は必要です。2、3日たてば、いいしみ具合、味付けになります。ふり塩をした後、魚をガーゼにくるんでから漬けると、焼く時に洗わなくともいいので便利です。みそや酒かすは焦げやすいので、その点からもガーゼはおすすめです。ぬか漬けのようにはいきませんが、魚を漬けたみそや酒かすも数回は使えると思います。

庄内浜の状況を少しお話しします。刺し網漁でヒラメが目立って捕れています。定置網、はえ縄ではマダイが大量に水揚げされています。市場でも比較的安い値段で取り引きされています。天候にさえ恵まれれば、酒田まつり、天神祭でタイもヒラメもお求めやすい価格で、たっぷりと召し上がっていただけるのではと思っています。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2008年5月9日付紙面掲載

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