藤沢周平海坂藩旅歩き－名園眺め藤沢作品朗読旧武家屋敷・菅家を会場に－

旧武家屋敷の庭園を眺めながら藤沢周平作品を読み、海坂（うなさか）藩のイメージを思い描こうという「まちなか朗読会」が４月14日、鶴岡市家中新町の菅家で開かれました。

菅家は、旧庄内藩の重臣・菅実秀が、藩主の酒井家から拝領した御用屋敷。庭園の築山には樹齢350年の老松やしだれ桜、ツツジなどが植栽され、江戸中期の作庭様式がそのまま保存されています。庄内地方では指折りの遠州流の名園とされています。

今回の朗読会は、長い時をへてたたずむ旧武家屋敷の建築空間を多くの人と共有し、海坂藩の世界に浸ってもらおうと、つるおかルネサンスの会（大河内恭仁子代表）が菅家の協力を得て企画したものです。

この日はあいにくの雨模様となったが、鶴岡市を中心に酒田市などから藤沢作品の愛好者合わせて約30人が出席。元ＮＨＫチーフアナウンサーで荘内日報論説委員の中里欣一さんや、大河内代表など会員たちが「潮田伝五郎置文」「山桜」の藤沢作品２編を朗読しました。

時折、雨風の音だけが聞こえる会場に静かな朗読の声が響き、参加者たちは海坂藩の風景に思いを馳せていました。

サイト掲載日／2007年4月23日