鶴岡市文化講演会が10月19日、鶴岡市中央公民館で開かれ、世界的なシンセサイザー奏者で作曲家の冨田勲さんが講演。新しい音づくりに挑んできた人生や庄内への思いなどを語りました。
冨田さんは東京生まれ。作曲家、編曲家として1950年代からテレビ番組、舞台、映画など数多くの作品を手掛けました。74年に発表したシンセサイザーによるアルバムは世界的な大ヒットを記録。また、藤沢周平さん原作で山田洋次監督による時代劇3部作の音楽を担当し「たそがれ清兵衛」で日本アカデミー賞最優秀音楽賞、「武士の一分」では上海国際映画祭最優秀作曲賞を受賞しました。
「わが人生は音の響きとともに」と題して講演した冨田さんは、「たそがれ清兵衛」の音楽について、風が日本海から庄内平野を渡って月山や鳥海山に呼びかけるイメージを描いたとし、「物静かだが、めっぽう剣が強い清兵衛の心の内を描く時、孟宗(もうそう)竹を連想しました。竹筒を卓球のラケットでたたいた音をミックスして音を作りました」と解説しました。
また、黒川能や庄内平野の収穫風景をテーマに、NHK番組「新日本紀行」で昭和30~40年代に放映された映像を交えながら、「黒川能など変わらないものと、先端技術の取り組みなど変わり行くものもあります。いずれも大切にしながら素晴らしい庄内となってほしい」などと語りました。