今回登場するのは今、注目を集めているトマトだ。実物を初めて見た人はびっくりするかもしれない。ハートのような形をしているのだから。世界の青果物が集まった見本市で3位入賞を果たしたトマトベリーを紹介する。
「甘くて酸味が少なく肉厚。普通のミニトマトとは味わいが違います。新食感のトマトだと思いますよ。でも、ハート型というよりイチゴみたいな感じですね」。鶴岡市の産直館のぞみ店で今週からトマトベリーを販売している菅原美和さん=新形町=が笑いながら話す。
トマトベリーは、さいたま市の大手種苗メーカー・トキタ種苗が開発したミニトマト。2月にベルリン(ドイツ)で開催された青果物の見本市には、世界各国の1600社が出展し、2000以上の出品があった。トマトベリーは、その中で特に革新的と認められた10品に入り、3位を射止めた。
産直館のぞみ店は2回に分けて計160本の苗を取り寄せ、夏の「秘密兵器」として20人の会員に配った。その1人が菅原さんだ。
名前も形もかわいらしいトマトベリーはハウスで栽培される。「今年は試作なので桃太郎と同じ栽培法でやってみました。かわいいトマトなのに、うちのは育ちすぎるのか、大きいようです」と苦笑いする。
ハウスで実物を見せてもらった。ハート型というかイチゴ型のミニトマトが鈴なりに実を付けていて、思わず手に取りたくなる。「プチュッという部分が少ないです。食べてみてください」。
さっそくもぎたてをいただいた。食べるのがもったいない感じだ。口に入れると確かに肉厚で、これまで味わったミニトマトとは食感が違う。サクサクという歯触りも楽しむのではなく、フルーツ感覚で果肉を味わうトマトのようだ。
料理への利用法に話題を移すと、「アクセントや彩りを付けるものだと思います。パーティーなどで食事を盛り上げるのにもいいかもしれません」という答えが返ってきたが、おすすめレシピは「栽培したのも初めてなので…」と固持されてしまった。
今回のレシピはトキタ種苗の提供。「クラッシュアイスの上にトマトベリーを浮かべて食べるのもおいしいですよ」と同社の広報担当者が教えてくれた。このトマトはやはり、おしゃれな食べ方が似合いそうだ。
産直館のぞみ店ではトマトベリー専用のパックと生産者名を入れた専用シールを張って売り出す。この夏、ハート型トマトが、女性のハートをつかむかもしれない。
「バレンタインデーにも使えるといいんですけど…。こちらでは時期的に無理ですね」と菅原さんは残念そうだ。かわいいルックス、真っ赤な色が食欲をそそる菅原さんのトマトベリーは4、5個入り150円。鶴岡市のぞみ町の産直館のぞみ店=電0235(35)1477=のほか、産直館白山店と駅前店、同市覚岸寺のしゃきっとで販売している。
トマトベリー適量、クリームチーズ適量、はちみつ適量、クラッカー類
2008年7月12日付紙面掲載