今回、紹介する素材は、ピーマン嫌いでも食べられるフルーツパプリカだ。以前にパプリカを取り上げた。形はピーマンと同じなのにかなり肉厚。サイズも倍ぐらいはあった。「甘唐辛子」という別名通り、ピーマンのような苦みはなく、甘かった。それではフルーツパプリカとはいったいどんな味? 興味津々で遊佐町の道の駅「ふらっと」でフルーツパプリカを販売している高橋里実さん=遊佐=を訪ねると、「パプリカよりも糖度が高いんですよ」と笑顔で迎えてくれた。
遊佐町はパプリカの特産化に力を入れている。高橋さんの兄が今年冬、町の事業でハンガリーとオランダに農業留学し、本場の栽培法を学んできた。
高橋家では昨年からフルーツパプリカを本格的に栽培している。パプリカは赤と黄色の2色。フルーツパプリカは、さらにオレンジ色が加わる。パプリカより小ぶりでピーマンに近いサイズだ。3色が入った袋は彩りも鮮やか。
「うちではサラダにして生で食べています。甘いですよ。どうぞ味見してください」。その場で切ったオレンジ色のパプリカを手渡された。口に入れてみると確かに甘い。ピーマンをイメージして食べたらびっくりするだろう。パプリカも甘かったが、フルーツパプリカはそれを上回る。
「色鮮やかなので料理に使うと映えると思います。色と味、いろんな食材との組み合わせを楽しんでほしいです」。料理好きにはとても魅力的な素材だろう。
パプリカとフルーツパプリカを一緒に栽培しているハウスに連れて行ってもらった。内部はとても暑い。「収穫作業は大変でしょうね」と水を向けると、「本当にそうです」。
「ふらっとで1度買って、味を覚えたお客さんは必ずまた買ってくれます」と笑顔を浮かべた後、「でも、うちではパプリカも作っているので、フルーツパプリカばかりが売れるようになると困ります」と、複雑な表情をした。
帰宅後、冷しゃぶに刻んだフルーツパプリカとタマネギを添えて食べてみた。ピーマン嫌いの子どもたちも「甘い」と大喜び。生ハムとも合わせたが、フルーツパプリカの甘さに生ハムが負けてしまった。いろんな野菜と合わせてみたい。おすすめレシピのヨーグルトあえも子どもたちに好評だった。
火を通すのももちろんOK。「肉詰めやジャガイモ、チーズを添えてオーブンで焼くのもいいと思いますよ」とすすめられたが、生で食べたいという気持ちが強く、挑戦する勇気がなかった。家族からは「カルパッチョやピザもいいかも」という声が上がった。今度、ぜひ試してみたい。
高橋さんのフルーツパプリカは3個入って150円前後。父親の名前で遊佐菅里の道の駅「ふらっと」=電0234(71)7222=と鶴岡市のエスモール内の産直コーナー、兄の名前で遊佐駅舎内のぽっぽやで販売している。
フルーツパプリカ、ヨーグルト
2009年7月11日付紙面掲載