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「はこべ」さくさくした春の味

今回取り上げる素材は「はこべ」だ。ハコベラとも呼び、セリやナズナなどと並ぶ「春の七草」の一つ。「その辺に生えている野草じゃないの?」と思うかもしれないが、遊佐町の道の駅「ふらっと」で、はこべを販売している鈴木ハナさん=吹浦=はハウスで無農薬栽培している。

「はこべは8種類ぐらいあるそうです。わたしが知っているのは3種類ほど。その中で一番おいしそうな品種を選んで植えています」と鈴木さんが笑った。正月明けは七草がゆ用に七草のセットを販売しているそうだが、「今年は大雪で七草をそろえることができませんでした」と残念そうに話す。

はこべは、おかゆに入れて食べたことがあるぐらい。どんな料理法があるのだろう。「少し作ったので食べてみてください」。ゆでたはこべをごまとマヨネーズであえた料理を試食した。さくさくとしておいしい。思ったような苦味もくせもない。さくさくとして、オカヒジキをイメージさせる食感だ。

ハウスで栽培されているはこべ。びっしりと敷き詰められているように生える

「揚げたてをどうぞ。そのまま揚げたのと、花がつおとごまを入れたものの2種類を作ってみました。干しエビを入れると風味が出るのですが、今日は切らしているのでごめんなさい」。鈴木さんが天ぷらを出してくれた。

衣の中に緑色のはこべが見える。口に入れてみる。ミツバやセリのような香気がないので子供でも食べやすいかもしれない。ごまと花がつおもアクセントになっていて好ましいと感じた。

「ゆでる時は熱湯にくぐらせる程度にしてください。サラダも最高においしいですよ。レタス、ルッコラと組み合わせるのがおすすめです」。鈴木さんには以前、アロエベラでも登場してもらった。はこべとアロエベラ、牛乳をまぜ、はちみつか砂糖を加えてジューサーミキサーで作ったジュースを毎日飲んでいるのだとか。

はこべは、鉄やカルシウムを豊富に含み、利尿、整腸作用があり、盲腸炎や心臓病などにも効果があると言われている。「30年ほど前、親類が盲腸炎を患ったので、入院前にはこべをすり鉢ですって飲ませたら痛みが治まり、手術を受けずにすみました」とその「パワー」を教えてくれた。

帰宅後、はこべとルッコラをサラダにして食べてみた。ごまの風味があるルッコラとの相性はなかなかにいい。「おわんに入れて上から汁をかけるだけ」というみそ汁も試したが、こちらも春の味わいがした。「湯に通す程度」が火を通す際のコツのようだ。

「試食しないとなかなか売れないから」と、鈴木さんは、朝に揚げたはこべの天ぷらをふらっとに持って行く。それが功を奏してか、食べた人は買ってくれるようだ。「一度に6袋ぐらい買っていく人もいますよ」とふらっとのスタッフが話す。

鈴木さんのはこべは150グラム入って1袋100円。遊佐町菅里の道の駅「ふらっと」=電0234(71)7222=で4月上旬まで販売している。

2010年3月13日付紙面掲載

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