今回、取り上げる宮内菜は2度目の登場となる。酒田市のみどりの里「山居館」の組合長でもある関口友子さん=藤塚=に取材をお願いしたところ「群馬県の宮内さんという方が開発したとか、前にいろいろと書いていましたよね。わたしより詳しいんじゃないですか」と一度は固辞されたが、「皆さんに食べてほしい野菜だから」と最後は快く引き受けてくれた。
野菜栽培が盛んな酒田市西荒瀬地区。関口さんも多くの種類の野菜を手掛けている。「宮内菜は7、8年前に始めました。秋に種をまき、春一番に出てくる露地物野菜なのに、春野菜特有の苦味がなくておいしいんですよ」と笑顔が返ってきた。
早速、砂丘地の畑に連れて行ってもらう。黄緑に近い緑色の大きな葉っぱが広がっている。「手でかいていきます。何度も収穫できるので経済的です。宮内菜は農薬を使う必要がない。でも、虫がたくさん付いたら駄目。サヨナラです」と手を振って見せた。「うちでは値が張る堆肥を使っています。やっぱりおいしい野菜ができますよ」と笑った。
以前、宮内菜を取材した際、「新鮮なものはゆでるのが一番。いため物もいい」と言われた。関口さんにも料理法を聞いてみた。「わたしはさっとゆでて、エノキダケと一緒にめんつゆなどのだしじょうゆで煮ます。こちらもさっと火を通すだけです。毎日食べていますよ」。おすすめレシピのあえ物を教えてくれた。
「茎が軟らかいので下ゆでなしで大丈夫」といため物も推奨する。「この前、テレビで見たのがベーコンとスパゲティ、野菜をいため、塩コショウで味付けした春野菜のパスタ。彩りもいいし、宮内菜にピッタリの料理法だと思いました」。ぜひ挑戦してみたい。
帰宅後、頂いた宮内菜をさっとゆで、からしマヨネーズで食べた。火が通るときれいな緑色になる。春野菜なのに苦味がほとんどなく、甘くておいしい。おすすめレシピのエノキダケとのあえ物も作ってみた。これも火の通りが早いので、煮過ぎないよう注意が必要だ。
最後に「カニ風味のかまぼことあえるなど彩りも楽しんでください」とアドバイスしてくれた。関口さんの宮内菜は250グラム入って1袋100円。酒田市山居町一丁目の山居館=電0234(26)6222=で今月末まで販売している。
宮内菜1束、エノキダケ1袋、だしじょうゆ適量
2010年5月26日付紙面掲載