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「紅花若菜」くせなく料理に彩りも

産直施設を訪れると、新しい野菜に出合えることがある。施設間競争も激しく、最近は互いに特色を出そうとしているのだろう。「たわわとしても新しい野菜の提案をしないといけないと考え、今年から14人の生産者で紅花若菜の栽培を始めました。紅花を研究している東北公益文科大の平松緑教授にも勧められましてね」。酒田市の産直たわわで紅花若菜を販売している石澤拓夫さん=市条=が話す。

石澤さんは福島県出身。神奈川県の農業改良普及員をしていたが、「生産者の立場で経験と技術を生かしたい」と安定した職をなげうち、国の事業で開拓された鳥海南麓の畑を購入し、54歳の時に夫婦で旧八幡町に移り住んだ。今年2月まで、たわわ運営組合の組合長も務めた。

旧大沢小学校(大沢コミセン)の駐車場で待ち合わせし、2.5キロほど離れた石澤さんの畑に連れて行ってもらった。「トマトと一緒にハウスで植えた紅花若菜です」。丈の短い黄緑色の葉物が1畝並んでいる。石澤さんが根っこごと引き抜いていく。「若菜というぐらいですからまだ若いうちに摘み取ります。間引いたものを集め、残ったら種を取ろうかなと思っています」。白い小さな根がついていて、見た目は葉っぱが少しギザギザした大根葉のような感じだ。

「新野菜」として期待がかかる紅花若菜

どんな食べ方をするのだろうか、という問いに「サラダなど生食もできますし、おひたしや天ぷらもおいしいですよ。苦味もなく味も良い。普通の葉物野菜と同じ使い方ができると考えてもらっていいと思います」という答えが返ってきた。

5月16日には産直たわわの創業祭で天ぷらとおひたしにして試食、販売した。「『紅花が食べられるの?』という人もいましたが、『くせがなくておいしい』『食べやすい』と反応は良かったです」。生産者たちも自信を深めたようだ。

紅花は、中国では古くから血行障害や冷え性、更年期障害など婦人病薬などとして使われ、漢方薬にも配合されている。老化や病気の要因になる体内の活性酸素を消す作用があることも分かってきた。体のためにも食べたい野菜と言えそう。

帰宅後、頂いた紅花若菜を試食してみた。生の紅花若菜はくせがなく、以前に取り上げたルッコラやエジプト菜を思わせる味わいだ。さっとゆでてあえ物にする。こちらも食べやすく、うどんの具にも入れてみた。料理に彩りを添えるという面からも使い勝手が良さそうだ。今度は天ぷらにもトライしたい。

「昨日は露地用の種をまきました。1、2週間ほど置いて、また種をまこうと思っています。1カ月ほどで収穫できるので、11月末までたわわで販売するつもりです」と長期間の販売を考えている。「今年は宣伝の年と位置付け、来年以降定着させたい。料理法を知ってもらうためレシピも作り、将来は加工品の可能性も探りたい」と意気込みを語った。

石澤さんの紅花若菜は100グラムで1束120円。酒田市法連寺の産直たわわ=電0234(61)1601=で販売している。

2010年6月18日付紙面掲載

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