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「スイスチャード」カラフルな「懐かしの味」

鮮やかな茎の色が特徴のスイスチャード

今回は、味と色の両方を楽しめるスイスチャードという野菜を取り上げる。最近、栽培されるようになったホウレン草の仲間でフダンソウの一種。フダンソウという名前は聞き慣れないかもしれないが、庄内ではなつ菜と呼んでいる。こう聞けば、一気に親しみが増すのではないか。

「テレビ番組でホウレン草みたいな調理法で食べられると存在を知り、去年から栽培したかったんです。でも、種が手に入りませんでした。種苗メーカーに問い合わせたらなつ菜の一種と言われました」。庄内町商工ふれあい会館コアアルザの自転車置き場に毎週日曜開設される「産直ちゃりんこ」でスイスチャードを販売している加藤京子さん=田谷=が笑顔で話す。

スイスチャードの特徴は、茎と、葉の軸の部分が赤や黄色、白とカラフルな点にある。「種をまいた時点ではどんな色になるのか分かりません。成長していくにつれて色がつきます。色は赤が多いようですが、色が違っても味は変わりません」と解説する。

「元気がいいというか、エネルギッシュな野菜です」。論より証拠とばかりに自宅前の畑に連れて行ってくれた。なるほど勢いよく葉が伸びている。加藤さんが手で葉を除くと茎が見えてきた。赤、白、黄色とそれぞれの色の茎がある。葉っぱに虫が食べたであろう穴が開いている。「消毒もしていないので…」と加藤さんが申し訳なさそうに話すが、「安全」を求める産直ちゃりんこの消費者には歓迎されているという。

料理法について質問すると、「けんちんやおひたし、みそ汁の具、いため物など、なつ菜と同じ食べ方でいいと思います」という答えが返ってきた。でも一番のおすすめはゆでて白しょうゆとかつお節をかけるシンプルな食べ方だそうだ。「普通のしょうゆと違い、色が薄い白しょうゆだと色合いを楽しむこともできますから」というのが理由。白しょうゆはスーパーなどで市販されている。

料理する際は下ゆでが不可欠。さっとではなく、やや時間をかけた方がいいそうだ。「ゆでたらきっちり絞ってください」とポイントを教えてくれた。ビタミンAやミネラルを豊富に含んでいるので、夏場にはぜひ食べたい野菜と言える。

帰宅後、頂いたスイスチャードをゆでてみた。茎に火が通るのに時間がかかり、なるほど「さっと」ではなく、「しっかりめ」にゆでるのがコツのようだ。白しょうゆはなかったので、濃い口しょうゆで代用した。本当になつ菜と同じ味がする。鮮やかな色なのに、口の中に「懐かしさ」が広がる。いため物のほか、生食もできるそうなので、彩りを生かす料理に使ってみたいと思った。

産直ちゃりんこは午前9時の開店だが、「野菜を並べ始める8時ごろからお客さんが来て買っていきます」という人気ぶり。加藤さんのスイスチャードは町内の有名レストランの店主がいつも買っていくそうだ。200グラム入って1束100円。庄内町余目の商工会館コアアルザ自転車置き場の「青空市」産直ちゃりんこで毎週日曜に販売している。

2010年7月24日付紙面掲載

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