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「イチジク」ケーキにもぴったり

「生で食べればフルーツですが、甘煮など手を加えてもおいしい。若い人に食べ方、料理法を知ってもらいたいという意味からも、ぜひ取り上げてほしい食材です」。県庄内総合支庁農業技術普及課スタッフの推薦で、今回はこれから本格的な収穫期を迎えるイチジクを取り上げる。

「うちにはイチジクの木は3本ありますが、そのうちの2本は今年、苗を植えたばかり。生のイチジクは出していません。それでもいいでしょうか」。鶴岡市の産直あさひグーでイチジクの甘煮を販売している五十嵐昭子さん=越中山=にこう念を押された。「今回は料理の仕方を教えてほしいので大丈夫です」と答えると、ほっとしたような表情を浮かべた。

五十嵐さんお手製のイチジクの甘煮とシフォンケーキ

五十嵐さんは甘煮のほかに四季折々の素材を入れたシフォンケーキも販売している。「秋ならイチジク、ヤマブドウ、ラ・フランス、夏は枝豆、冬は豆腐といった具合です」。イチジクの甘煮、シフォンケーキのどちらも「すぐに売り切れてしまう」人気商品だそうだ。

甘煮に使うイチジクは知人に譲ってもらう。「実と汁をシフォンケーキに使うので、甘いのが好きな人には物足りないかもしれません」と話す。甘煮の作り方自体はそれほど難しくはないが、時間がかかるので二の足を踏む人もいるのではないか。「晩ご飯と並行して作業をします」というのは「主婦の知恵」だろう。

甘煮の作り方はおすすめレシピにある通り。「甘いのが好きなら、砂糖の分量を増やすか、もう少し長く煮詰めてください」というアドバイスの後、「ワイン煮もいいと思いますよ」と続けた。「一度作れば、冷蔵庫で2カ月ぐらいは持ちます」というから、イチジクを多めに買ってたくさん仕込めば冬まで楽しめそうだ。

もちろんイチジクは生でもおいしい。「娘が大好きでたくさん食べます」。生のイチジクは「ほかの生産者が低価格でグーに出しています。そちらを買ってください」とPRする。

イチジクはビタミンやミネラルが豊富で、へたを切った時に出てくる白い液体には消化酵素も含まれている。食物繊維が腸の働きを活発化させ、便秘の解消にも効能があるそうだ。

頂いたイチジクの甘煮を会社の女性たちに味見してもらったところ「程よい甘さでとてもおいしい」と口々に絶賛。シフォンケーキも「ふわふわとした食感がいい」「イチジクの味がしっかり付いている」と好評だった。年に1回程度、イチジクのワイン煮を作っているが、今度はグーのイチジクで甘煮に挑戦してみようと思った。

五十嵐さんのイチジクの甘煮は200㌘入って250円。「こんなに安くていいの」と言いながら買っていく人もいるそうだ。シフォンケーキは1ホールが950円、カットが240円。「お土産に求めていく人も多いようです」と話す。鶴岡市下名川の産直あさひグー=電0235(58)1455=で販売している。

五十嵐さんのおすすめレシピ

イチジクの甘煮

○材料

イチジク4キロ、砂糖1キロ、酢1/2カップ

○作り方

  1. イチジクを洗い、水を切ってからへたを取る。
  2. 鍋に1を入れ、砂糖と酢を加えて強火で煮る。汁が出てからは中火にする。アクが出たら取り除く。
  3. 1時間ほど煮たら弱火にし、さらに1時間煮る。
  4. 一晩置いてから再び火にかけ、沸騰したら弱火で1時間ほど煮る。途中で味見をし、砂糖が足りない場合は足す。

2010年9月25日付紙面掲載

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