「ピーマンより肉厚で苦みがない。甘みがあるので、ピーマン嫌いの子どもたちでも大丈夫です」。遊佐町の道の駅「ふらっと」でパプリカを販売している土門健太郎さん=宮田=が話す。
パプリカは南アメリカが原産。ピーマンと同じ唐辛子の仲間で、甘唐辛子とも呼ばれ、南米ではスパイスとしても使われる。ピーマンに比べかなり肉厚で、サイズも倍ぐらい大きい。何より色鮮やかだ。「色は7種類ぐらいあるそうですが、遊佐町では赤と黄色を栽培しています」と土門さんが教えてくれた。
土門さんがパプリカを手がけて3年目を迎える。「最初は父親がやるはずだったのにいつの間にか担当させられていました」。今は2棟のハウスで栽培している。
最初の年は日照不足を気にかけ、日焼け防止の遮断シートをはずしたら実が日焼けし、茶色に変色してしまった。「温度が高いと花が落ちるし、低温だとつぶれたような形になる。病気もつきやすいし、管理が難しい野菜です」と苦笑いする。
土門さんのハウスに入れてもらった。緑色の葉の間から赤と黄に色づいたパプリカがのぞいている。形はピーマンと似ているが、パプリカの方がずっと大きい。さわってみると、ずしりとした重量感がある。
「最初はピーマンと同じ緑色なんです。そして黒っぽくなってから、赤、黄色に変わります。8割ほど色が付いたところで出荷時期を迎えるんです」と解説してくれた。
土門さんのパプリカは、ふらっとでは2~3個入り約300gで210円で販売している。「東京では1個で250円が当たり前です。安いので土、日は県外の人も買っていきます。スーパーで売っている韓国産とは鮮度が違います」と胸を張る。
新鮮なパプリカの見分ける方法について「見た目がみずみずしいものを選んでください。見ただけで分からなければ、さわってみて硬い、張りがあるものが新鮮です」と教えてくれた。
パプリカの調理法を「ピーマンの代わりにチャーハンに入れるとおいしいし、彩りもいい。スライスしてとろけるタイプのチーズを乗せてトーストやピザにしてもいけます。肉詰めもいいですよ」。生食ももちろんOK。土門さんのおすすめレシピはキュウリとのサラダ。どちらも遊佐町の名産、いわば「出合いもの」だ。肉厚のパプリカには肉詰めもよさそうだ。
土門さんのパプリカは11月までふらっとで買うことができる。「まだまだ実験の段階、毎年が勉強です」。汗をぬぐいながらこう話す若き農業者の熱い情熱が伝わってきた。
パプリカ1個、キュウリ3本、タマネギ1/4個、酢大さじ2、オリーブ油大さじ2、砂糖大さじ1/2、水大さじ1、塩小さじ1/2
2006年9月2日付紙面掲載