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「アロエベラ」「医者いらず」万能選手

今回登場するのはアロエベラ。「えっ」と驚く人もいるだろう。観葉植物と思われがちだが、食用、薬、化粧水、入浴剤など幅広い利用法がある。

「アロエベラとはアロエのことです。『医者いらず』と言われるぐらいですから、体にとてもいいんですよ」。遊佐町の道の駅「ふらっと」で販売している鈴木ハナさん=吹浦=が笑った。

サボテンの仲間と思われがちなアロエだが、ユリ科に属し、タマネギやニンニク、アスパラガスに近い。2000年に村山地方の知人から50本の苗をもらい受け、夫の孝さんがハウスで栽培を始めた。昨年夏に孝さんが亡くなってからはハナさんが跡を継ぎ、丹精込めて育てている。

苗から収穫までは3年かかる。1年で7枚、2年で15枚というように葉の数が増え、3年で60cmほどに達する。「油かすなどの有機肥料を与えています。農薬は一切使っていません。植えておけばいいので手はかからない。ただ、アロエは気温が5度を下回ると枯れてしまうので、温度管理には気を遣います」と話すものの、月に3回の追肥、週に2回の水やりがあり、結構手間がかかるようだ。

鈴木さんのハウスに連れて行ってもらった。「昨年の大雪でハウスが1棟つぶれてしまい、今は1棟しかないんです」。何重ものシートで覆われたハウスの中で、緑色のたくさんのアロエが天に向かって伸びている。茶色い根の部分も所々顔を出している。「南の国、東南アジアにでも来たみたいですね」と感想を述べると、「言われてみれば」と鈴木さん。

さてアロエの料理法だ。「皮は牛乳とエゴマと一緒にミキサーにかけてジュースにします。好みで砂糖やはちみつを入れてください。実は食用。生食でドレッシングをかけてどうぞ。ヨーグルトに入れたり、薄く切って刺し身やにぎりずしもいいですよ。刺し身や納豆とあえてもおいしい。マグロの刺し身と合うようです」と解説してくれた。

「さあどうぞ」。鈴木さんの手作り料理が登場した。にぎりずしはからしマヨネーズを乗せ、しょうゆを付けて食べる。ゼリー状のネバネバが付いている。アロエそのものには味がない。歯ごたえのないナタデココと言えばイメージがわくだろうか。マグロのタタキとの和え物、わかめを添えたドレッシングをかけてごちそうになった。あっさりしていてヘルシー。締めのジュースはやや苦みがあるが、いかにも体によさそうだ。

販売当初は全く売れず、ふらっとで刺し身とジュースの試食販売を何度も行い、徐々に認知されてきた。「ふらっとで買った人から送ってほしいと言われ、今では広島や四国、九州にも宅配しています」と話す。

鈴木さん自身、胃の手術歴があり、不整脈にも悩まされていたが、「ジュースを飲むようになってから体調がよくなり、今は薬も飲んでいません」というから効果てきめんだ。

ハウス内で栽培されているアロエ。中に入ると南国のようだ

「飲用は、細かく刻んで20度の焼酎に1カ月入れるとエキスが出てきます。30度の焼酎に漬けておけば、化粧水になります。グリセリンと一緒に使ってください。肌がつるつるになりますよ」。つるつる効果は入浴剤にしても発揮される。ぶつ切りで風呂に入れる。

ネバネバしている実は傷口に塗ると効果的。やけどや日焼けにもいいのだそうだ。「二日酔いで胃の調子が悪い時は、皮ごとがりがりかじってください。胃に達する前にすっきりしますよ」。左党には朗報だろう。食べてよし、飲んでよし、塗ってよし、風呂に入れてもよし。いろんな使い方ができそうだ。

ふらっとでは標準サイズ300円で通年販売。鶴岡市白山の産直館、産直館駅前店でも扱っている。

アロエベラ果肉の取り出し方

  1. 根元を切り落とす。
  2. 実を6~7cm幅に切る。
  3. 両脇に付いているとげを切り取る。
  4. まな板に押しつけながら皮と果肉の間に包丁を入れ、皮をむく。
  5. 裏返して残った皮をはがす。

2007年2月3日付紙面掲載

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