このコーナーでこれまで、いろんな「新野菜」も紹介してきた。読者が初めて耳にするというものもあったのではないか。今回登場するのもその一つと思われる。鶴岡市の百万石の里「しゃきっと」で名前を聞いて耳を疑い、実物を見て驚いた。その名はスティックシュンギクだ。
「普通のシュンギクほど香りがきつくなく、葉も茎もやわらかいんです。サラダにして食べるとおいしいですよ」。生産者の大滝ゆき子さん=千安京田=の話を聞いて、またびっくりした。独特の香りがするシュンギクを生で食べるなんてあり得るのだろうか。
スティックシュンギクは、葉はシュンギクと変わりないが、茎の部分が長いのが特徴。以前、このコーナーでブロッコリーを改良したスティックセニョールを取り上げた。その「シュンギク版」といったところか。シュンギクに比べ、緑色はやや薄いような気がする。
「野菜は食べるのも作るのも大好き」という大滝さんは、新しい野菜を常に追い求めてきた。スティックシュンギクに出会ったのは2003年。以来毎年、砂丘地のハウスで栽培している。4月に種をまき、1カ月ほどで収穫できるのだという。さっそくハウスに連れて行ってもらった。
「背が高いので、水をかけると倒れてしまいます。両側にビニールテープを張って倒伏を防ぐのです」。大滝さんの説明を事前に聞いていたが、ハウスで見てなるほどと納得した。背が高く、葉が重いから倒れやすいのだろう。草もちに使うヨモギに似ていると思ったので口にすると、「私も最初の年は『もち草』の種をまいてしまったかと思いました」と笑った。
「安全な野菜を食べてほしいので農薬は使わず、消毒をしないよう心掛けている」と話す大滝さんは毎日、ハウスに到着すると、野菜を生で食べて味見する。「みずみずしいので朝取りは違います」と話しながら、スティックシュンギクの根元を切り、口に入れた。
さっそくまねをして、取れたてを食べてみた。茎がしゃきしゃきとしている。独特の香気が感じられるが、不快なものではない。シュンギク好きはもちろん、苦手という人でも十分に食べられそう。「うちの孫たちも残さず食べます」というのもうなずける。
生食以外では「葉は天ぷらにすると独特の甘みがあります。かき揚げもいいです。塩で食べると、スティックシュンギクの味が楽しめます」。もちろんおひたしや鍋物もOK。肉と一緒にいためてもおいしいそうだ。
帰社後、いただいたスティックシュンギクを女性スタッフたちが生食してみた。予想以上に好評だった。セロリやセリなど「香気好き」にはたまらない野菜と言えそうだ。
大滝家では「いろんな野菜と組み合わせてマヨネーズや好みのドレッシングをかけてサラダで食べる」というスティックシュンギク。200g入り1束100円で今月末まで販売している。
スティックシュンギク、レタス、キャベツ、ニンジン
15~20cmのものならそのままコップなどに挿してスティックサラダに。それより大きいものは茎と葉に分け、茎をサラダに使う。茎は食べやすい大きさに切り、レタス、キャベツ、ニンジンなど好みの野菜と組み合わせてドレッシングやマヨネーズをかける。
2007年5月12日付紙面掲載