みどり菜という名前の野菜があることは知っていたが、食べたことはなかった。三川町の物産館「マイデル」に出荷している飯田勝子さん=横山=を訪ねる前に下調べをしていて、山形県が開発したオリジナルの葉野菜と知って驚いた。
みどり菜は、冬場の漬物で弁慶おにぎりに欠かせない青菜と「万能選手」の白菜がルーツで、この2つの冬野菜を改良して生まれた新野菜。漬物はもちろん、いため物や煮物など幅広い料理に利用できるのだそうだ。
「どちらかというと青菜に近いようです。しんの方を天ぷらにしてみました。味をみてください」と飯田さんにすすめられた。青菜を天ぷらにして食べたことがないのでよく分からないが、食感はチンゲンサイに近い感じがする。うどんなどめん類に載せたら引き立ちそうだ。
続いて小エビ、ウインナーソーセージとのいため物をいただいた。鮮やかな緑色がとてもきれいだ。「サキサキとしているでしょう」。「シャキシャキ」ではなく「サキサキ」。うまい表現でみどり菜の特徴を言い表すと感心した。青菜の辛みと白菜の甘さが調和している。くせがない甘さ。葉が大きくなっても節が気にならないのが不思議だ。
9月に種をまき、ハウスで栽培し、11月下旬から収穫が行われる。「マイデル経由で毎年、学校給食にも使ってもらっていますよ」と飯田さんが胸を張る。
早く現物を見てみたいと気がはやる。ハウスに連れて行ってもらった。色は青菜より白菜に近い緑色。葉は丸みがかっていて、こちらは白菜を思わせる。「大きくなったものからはさみで葉をかいでいくんです。軟らかいので、手でも簡単に折れます」と飯田さんが摘み取っていく。
「前はしんの部分を捨てていました。でも天ぷらにするととてもおいしい。これが一番のおすすめです」と笑うが、ほんのわずかしかないものを食べることができるのは生産者の特権。それ以外でもおいしく食べる方法はたくさんある。
「うちではいため物やおひたしが多いです。ゆでて松前漬け用のコンブとするめ、ニンジンのせん切りにめんつゆを入れて一夜漬けにしてください。サキサキとネバネバがよく合いますよ」と教えてくれた。
帰宅後、いただいたみどり菜を下ゆでし、ベーコンといためてみた。「甘みがあり、食べやすい。青菜の風味が強いが辛みはない」と好評だった。
翌朝、チンゲンサイをベーコンといためてみたが、甘み、歯触りの良さともみどり菜に軍配が上がった。今度は漬物や煮びたしにも使ってみたい。
「葉物がたくさんある時期なので、300g80円と価格も抑えています」というのも消費者にはうれしい。飯田さんのみどり菜は2月までマイデルで販売している。
みどり菜200g、ウインナーソーセージ2本、冷凍小エビ200g、塩、コショウ、ごま油各少々
2007年12月1日付紙面掲載