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イシダイ、成魚は刺し身

読者から「庄内で釣りと言えばクロダイ。イシダイはあまり聞きません。イシダイの鶴岡市場での評価を食べ方も含めて教えてください。あのしましまの色は鮮度とも関係あるのでしょうか」という質問をいただきました。

イシダイ(石鯛)、シマダイ、タカバ。これはすべてイシダイの通り名で、シマダイとタカバは幼魚を指します。庄内では一般的にタカバが通り名です。成魚になるとイシダイと呼びます。

タカバは、体にはっきりとした7本の黒い線があります。私が子供のころに見た絵本に「イシダイしまごろう」というのがありました。しましまの魚は珍しいので、子供たちに人気があるようです。大きくなるとしま模様が薄れ、最後にはほとんど見えなくなるものもいます。成長とともに口の周りが真っ黒になります。

イシダイは成長に従いしま模様が薄くなっていきます。幼魚はタカバと呼ばれます

イシダイは、かむ力が強いことで知られ、成魚は殻が固いフジツボもガリガリ食べるそうです。体長が十数センチに達すると、物をつっつく習性があり、海水浴をしている人の足をつついたという話を聞きます。磯釣りの対象魚でもあります。その一方で、人になれやすく、その性格を利用して水族館で芸をしているという例もあるそうです。

イシダイは、特に西日本で高級魚として扱われています。6月から8月が旬ですから、今の時期がおいしいのです。よく捕れるという魚ではありませんが、庄内浜でも定置網漁や刺し網漁で1日数本ぐらいは水揚げされます。幼魚は身が軟らかいので刺し身には向きません。主にみそ汁にして食べます。どの時点で刺し身にできるかというと、体の色で判断できます。黒くなれば脂ものり、身もしっかりします。重さ500グラムが目安で、1キロ以上なら最高です。 

でも、貝を食べていますから、身に少し磯臭さがあるかもしれません。魚好きがおいしいと言う魚で、タイやヒラメのように万人受けはしないと思います。庄内では少量しか捕れないので、変わった料理法はないようです。成魚は刺し身、またはおすし屋さんでにぎりずしになる程度かもしれません。よいだしが出るので、どんがら汁はおいしいです。

庄内浜の近況についてお話します。由良でごち網漁が始まり、タイなどを中心に「赤物」も見えるようになりました。底引き網漁が禁漁期に入り、寂しかった浜も色とりどりになってきました。色鮮やかなものならアマダイがあります。ちょっと前までメバルが安かったのですが、これからは価格も少し上がるかもしれません。貝類ならニシガイ、海草類ならモズクに加えてエゲシ(イゲス)も見えてきました。これからさらに暑くなるので、新鮮なものはその日のうちに食べることをおすすめします。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2008年7月22日付紙面掲載

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