読者から「魚には赤身、白身、青身、光り物などがあるそうですが、見分け方を教えてください。庄内ではどんなものが捕れるのでしょう」という質問をちょうだいしました。
赤身、白身、青身は魚体の色で区別します。赤身と白身は皮をはいだ時の身の色なのに対し、青身は外見が青いものを言います。
赤身はマグロ、カツオ、カジキマグロ、クジラなどで、白身はタイ、ヒラメ、スズキ、メバル、ソイ、アイナメなどが代表選手です。庄内では白身は年間を通じて水揚げされますが、赤身の魚はほとんど捕れません。せいぜいクロマグロ(本マグロ)の子どものメジマグロが揚がるぐらいです。青身、青魚はイワシ、サンマが有名です。この辺で捕れるものはアジ、サバ、イナダ、ブリなどです。身の色が青いわけでなく、背の部分が青だったり、緑だったりするところから青身という呼び名になったと言われています。光り物とはすし屋さんの用語だと思います。薄皮を取った時に光るところからきているのでしょう。サヨリやコハダ、サバなどが光り物に入ります。
庄内浜の状況ですが、変わったところではメバルが捕れてきました。赤テンコ、茶テンコ、黒テンコを庄内では総称してメバルと呼びます。東京でメバルを注文すれば茶テンコが出てきます。この辺でメバルと言えば、一般的に赤テンコのことです。旅館などでお品書きにメバルと書いてあれば赤テンコのことです。脂がのっていますから塩ふり焼きにして食べてください。主に飛島で揚がっています。最近多いのがスズキです。おいしくなってきたので料理屋さんも使い始めました。
刺し網漁ではサバが好調です。1匹400g前後のものが多く捕れていて、価格も安いのでおすすめです。脂はそれほどのっていませんが、シメサバにして生で食べたらおいしいと思います。以前も取り上げましたが、シメサバの作り方について紹介しましょう。3枚に下ろしたサバにまんべんなくたっぷり塩をふります。そして5時間ほど置いたら酢に1時間ほど浸します。塩でしめる時間を長くするのがコツです。塩でしめることで細菌を減らすのです。ぜひ挑戦してみてください。
今まで少なかったアジも見え始めてきました。100g以下の唐揚げにちょうどよい大きさです。二度揚げして食べてください。底引き網漁はタラ一辺倒からハタハタを経て、春らしさが感じられるようになりました。
(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2006年4月19日付紙面掲載