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身の色で分かる新鮮さ。スルメイカ編

読者から「スルメイカ漁が庄内沖でも始まったようです。新鮮なイカを選ぶポイント、おいしい料理法を教えてください」という質問をちょうだいしました。今回はスルメイカを取り上げたいと思います。

スルメイカの現時点の水揚げは去年より少なめで、値段もちょっと高いようです。スルメイカは、海中にいる時は身の色が透明ですが、水揚げされると黒っぽい茶色になり、その後は再び白くなります。それから赤っぽく変わりますが、そんな状態で販売されることはありません。身の色で新鮮さを判断して間違いないと思います。

スルメイカは、船上で大きさごとに箱詰めされます。1箱に4~5kgのイカが入っています。庄内の場合、1箱に入っているイカの数はサイズの大きい順に15匹、20匹、25匹、30匹、40匹、バラとなっています。バラとは40匹以下のものをさします。スーパーなどで売られているものの中心は30匹入りです。すし屋や料理屋向けには20匹のサイズが選ばれます。大きいイカが料理屋さんなどに行くのは、刺し身向きで皮がむきやすく、飾り包丁を入れるなど、手を加えやすいことがあります。小売店で売られるものは中間サイズが多いのです。イカは加熱すると軟らかいものと硬いものが出てきます。小さい方が軟らかいと言われています。

皆さんはあまり意識していないと思いますが、卵を抱いていなくても、スルメイカの雄と雌には違いがあります。庄内では岸に近いところは雌が多く、浜から遠いところの群れは雄の割合が高いです。雌は身が薄く、加熱すると硬くなりやすいのです。見た目で肉厚感があるのが雄、薄っぺらいのが雌と思ってください。

スルメイカが旬を迎えています。いろんな料理に挑戦してください

スルメイカの調理法には地域性が出るようです。名産地の函館に肝のみそ漬け焼きがあります。肝をといでみそを加え、イカの身の表面に塗ってあぶるそうです。胴にもち米を入れたイカめし、生きたイカを船上で1匹丸ごとしょうゆに入れる沖漬け、細くそうめん状に切って食べるイカそうめんなどが北海道の代表的な食べ方です。

千葉県には肝としょうゆを合わせたタレを使う肝ダレの刺し身があります。石川県では酢漬けにするそうです。イカをゆでて酢に浸したもので、胴の中にキュウリやニンジンの漬け物を入れ、薄くスライスして食べます。カレー揚げも石川の料理です。胴の中におからをたっぷりと入れ、カレー粉と小麦粉をまぜたものにまぶして揚げる料理です。ほかにシソの葉、鷹の爪と一緒に麹に漬けた麹漬けがあるようです。 

イカはどんな料理にも合う万能選手です。カレーライスや八宝菜、焼いてマヨネーズにつけて、和洋中華何でもござれです。買ったときには普段は食べないものにもチャレンジしてみてください。

簡単な塩辛の作り方を紹介しましょう。イカの足と、スミを外します。肝を取り出し、塩を振って一晩おきます。それから袋を外して肝をとき、イカの耳と足を切って和えます。レモン汁を入れると生臭みがなくなります。塩と酒を加えればさらにおいしくいただけると思います。手作りの塩辛は市販のものとは違った味わいがあります。

最後に庄内浜のイカの入札方法についてお話ししたいと思います。庄内では酒田、由良、鼠ケ関の3港に水揚げされ、酒田と由良の2港の市場で入札が行われます。由良と鼠ケ関のイカは由良港の市場でまとめて入札します。由良の場合はサイズごとですが、酒田ではもっと細分化されています。船が単位となり、「○○丸のイカを何匹」というように限定した買い方です。次回はアイナメなど今、おいしい魚を取り上げたいと思います。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2006年6月14日付紙面掲載

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