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安くておいしい秋サバ

サンマに飽きた方は、秋サバはいかがでしょうか

今、水揚げされている秋らしい魚にサバがあります。サバには真サバとゴマサバがあり、この辺で捕れるのは真サバです。シメサバになり、生食もできるのでけっこうな高値で取引されます。サバの旬は冬ですが、秋サバも安くておいしいのです。今年は1匹5~600gクラスのものが多いようです。冬の寒サバになると、取引価格は1匹当たり千円単位にも上昇します。サンマに飽きた方には秋サバがおすすめです。シメサバが一番ですが、脂がのっていますから、みそ煮にしてもおいしいと思います。肌寒くなってきたので、こういう料理もいいのではないでしょうか。

カレイ類は夏物、冬物がどっちつかずといった状況です。夏の魚であるマコガレイ(鶴岡でエンショウ、酒田でネサシと呼びます)は徐々に旬を終えつつあります。これから旬を迎えるものでは、やせていたダイバ(ムシガレイ)の身の状態がよくなっています。焼き魚にするなら、鶴岡でクリノキハと呼ぶヤナギガレイが今、一番いいのではないでしょうか。高いときはクチボソの倍の値が付くこともありますが、今は買いやすい価格になっています。値段と時期を考えるとぜひ食べてほしい魚です。小さいものは一匹丸ごと家族の人数分買うのもいいし、大きいものは1匹を何等分かに分けてもいいでしょう。わが家では食べる1~2時間前に少し塩をふっておきます。上品でとてもおいしい魚です。

イカ類も見えてきました。アオリイカ(上)は刺し身、イカコは煮物にして食べてみてください

タラも今の時期は身と肝臓がとてもいい状態にあります。タラコと白身に栄養がいっていないからです。価格も安いので、芋煮に飽きた方は遊び心で、アブラワタを入れて寒ダラ汁風にして召し上がってみてください。

ここにきてイカ類が見えてきました。アオリイカはこの辺ではスミイカと呼んでいます。ヤリイカの小さいものはイカコやメイカと言います。アオリイカは刺し身に、イカコは大根と一緒にしょうゆ煮にして食べていただきたいと思います。ただ、両方ともまだ価格は高いです。

夏物の魚は消えつつあり、冬の魚に変わりつつあるというのが今の海の様子です。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2006年10月6日付紙面掲載

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