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食べ方豊富なガサエビ

ガサエビにちょっとしたひと手間を加え、さらにおいしく食べてみてください

庄内浜でこれから捕れる海の幸の中で、変わったものではガサエビがあります。刺し身でももちろんいけますが、汁や鍋にする場合、頭を取って鍋に入れ、身はむいてすり鉢ですり、団子状にして、つみれみたいに汁に浮かせて食べるのもおいしいです。好みでつなぎに卵などを使ってみてください。ちょっと手間がかかりますがおすすめです。家庭料理の枠を超えてしまうかもしれませんね。ガサエビは殻の付いたものを買うのがリーズナブルです。軽く焼いてからだし取りに使うと、とてもいい風味が出ます。

甘エビは地元ではアカエビ、業界ではナンバンエビと呼びます。鮮度のよいものは「姿汁」にしてはいかがでしょうか。丸ごと全部鍋に入れ、みそで味付けしたものを頭と身を分解しながらカニの要領で食べるのです。みそ汁からアマエビだけを取り出すという単純な食べ方ですが、ぜひ一度試してみてください。

これからの時期はメイカがおいしくなります。ヤリイカの小さいものを指し、本来は雌のイカのことですが、今の時期は雄の小さいものも含まれています。昨年、焼いて食べるのもぜいたくだがおいしいと紹介しましたが、覚えていますでしょうか。今回はメイカ汁にしてみましょう。頭の部分に卵が入っているメイカをみそ汁にするのです。メイカは墨を取るのがちょっとやっかいかもしれません。だし汁はそれほど期待できませんが、身と卵両方の味を楽しむことができます。

庄内浜で待望のズワイガニ漁が今月11日に解禁(注・2006年)となりました。当初は1日の予定でしたが、資源保護のため10日ほど遅くなりました。近日中に召し上がることができると思います。ただ、身の入りはまだ十分ではありません。価格も高く、水揚げも安定していないので、おすすめできる状態まで達していません。もう少しお待ちください。

サケの話題を取り上げたいと思います。先ごろの低気圧と台風の影響で北海道から三陸にかけて、定置網に被害が出ているようです。まだサケ漁のシーズンは続きます。今後の店頭価格に響いてきそうです。庄内は幸い、このような被害がありませんでした。庄内のサケの水揚げ量はそれほど多くはありませんが、全国から注文が舞い込み、価格も高くなっています。

タラがちらほら見えてきました。徐々に秋、もしくは冬めいてきたようです。魚もだんだんおいしくなってきています。ヒラメやマダイなどの白身魚が安くなっています。サンマやサバなどの秋の魚の生食需要があるため、白身があまり動かないからです。ただ、お店屋さんの店頭でも価格が安くなっているかは分かりません。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2006年10月20日付紙面掲載

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